ネット通販で直面する課題「ブランドイメージとレスポンスの両立」問題

最近のブランドイメージのトレンドは、断然”ナチュラル”

私が美容系(化粧品・健康食品)のダイレクトレスポンス広告制作に、広告ディレクターとして携わり10年以上が経ちました。
その間、刈り取りの広告はもちろんのことブランディングも経験してきましたが、ブランドイメージのトレンドはずいぶん様変わりしたなと感じます。
最近のトレンドといえば、何といっても”THREE”や”shiro”といった自然派ブランドに代表されるような、シンプルで空気感のあるイメージです。
外資系ブランドの、環境光の下ガツンと強い陰影や合成感のある”The高級感”ビジュアルは、とてもわかりやすい分、あざとさや一歩遅れた時代感が漂うことも…。
よって、今はリブランディングの際など、外資系寄りのかっちり作りこんだビジュアルではなく、自然派寄りのナチュラルでやわらかなイメージを模索する会社が多くなりました。

「ナチュラル=効かない」!?

ところが、ナチュラル寄りのブランドイメージを採用すると、必ずと言っていいほど浮上する問題があります。それが「自然派の商品=効果が薄そう」問題です。
特にスキンケア化粧品においては先進的な技術やサイエンス感の演出はマストです。 そこをアピールしてこそ「何だかすごそう」「効果がありそう」と思ってもらえるため、各社とも新たな技術や成分のアピールにしのぎを削っているのはご存じの通り。 化粧品通販会社にとって、”効きそう”感=「サイエンス感」をいかに出すかは、参入が後を絶たず熾烈な争いが繰り広げられる美容業界において、生き残るための鍵と言えるでしょう。

ところが今、自然派のブランドイメージがトレンドとなったことで、多くの経営陣が頭を悩ませる事態が発生しました。それが「自然派のブランドイメージとサイエンス感が両立しない問題」です。
ナチュラル感とサイエンス感というのはケンカしやすいもので、ナチュラルなイメージを追求すればサイエンス感が遠ざかり、反対にサイエンス感を押し出すほどにブランドイメージからズレていく……。こんなジレンマに陥ってしまう会社が今、増えてきているのです。

ブランドイメージとレスポンスの両立はできる?

ナチュラル感とサイエンス感のケンカは、ダイレクトレスポンス広告においても大きな壁となって立ちはだかります。いったいバナーやLP(ランディングページ)で、どちらを立たせればいいのでしょうか。
その場の売り上げを考えれば、もちろん「サイエンス感」でしょう。
お客様は自分の悩みを解決する商品を求めているわけですから、その悩みを解決できると大いにアピールすることが、高い反応率を得る近道です。しかし長い目で見た場合、そのブランド自体に共感し好いてくれるファンを育成してこそ、LTVが高まり、結果的に高い売り上げを得ることができます。そのためには、獲得時から各媒体で露出するブランドイメージを統一することが非常に大切です。

お客様のブランド体験がその時々で異なれば、ブランディングはいつまでたっても成功しません。
では、レスポンス広告を展開する際、ブランドイメージとサイエンス感、どちらかを諦めるべきなのでしょうか?
その結論は次回お話ししますね!