オンラインショップを作る際は、コンセプトを決めておきましょう。 お店の強みがはっきりして、統一感のあるお店を作ることが可能です。
作る上での試行錯誤も短くなりますし、お客様にとってもあなたのショップの魅力が伝わりやすいメリットがあります。
通販サイトにおける「コンセプト」とは?
でも、そもそもですが、「コンセプト」ってどんな意味でしょうか?
今までのコラムでも何回か「コンセプト」という言葉が出てきましたが、いまいち意味がわからないという方もいるのではないでしょうか。
「コンセプト」の意味を調べると、「企画・広告などで、全体を貫く基本的な観点・考え方」とあります。
うーん。なんだか、ふんわりしていますね。
もう少し、ネットショップ向けに分かりやすく説明してみましょうか。私たちオンラインショップを運営するものにとって、コンセプトとは 「お店全体の骨組みとなる基本的な考え方」、あるいは「お店世界観を一言でまとめたもの」と言えるでしょうか。
でも、今回はさらに分解してコンセプト=「この店で買うべき理由(強み)を一言でまとめたもの」と考えてください。
なぜなら、市場にはありとあらゆる種類があり、そして今やネット通販サイトも星の数ほどあります。
お客様はたくさんのネットショップを見比べながら購入します。
その中から選ばれ、買ってもらうためには常に「他店と比べてうちはどうか?」ということを考えなければなりません。
ですから、「うちの店で買うべき理由(=コンセプト)」をしっかりと決めておく必要があるのです。
最初にコンセプトを決めておけば、統一感があり魅力的なショップを作るための大きな道標となるはずです。
コンセプトのもとになる「強み」を見つけましょう
コンセプトを決めるには、まず強みを発見するところから。では、あなたのブランドや商品の強みは何でしょう。パッと答えられますか? 意外と難しいのではないでしょうか。ここからは、強みを見つけるための方法をいくつかご紹介しますね。
強みの見つけ方 その1:お客様に聞いてみる
もし、すでに実店舗で商品を売っている場合は、常連のお客様の顔を思い浮かべてみましょう。
その人は何歳くらいの人でしょう?
どんな商品をよく買っていますか?
似たようなお店ではなく、あなたのお店で買う理由は何でしょうか?
実店舗がなくバラエティショップ等に卸している場合は購買データの分析でも結構です。
一番いいのは、直接常連さんに聞いてみること。通販ならコールセンターでアンケートをとるのも有効です。どんな人が何を買っているのかじっくり考え、「なぜあなたのブランドを選んだのか。なぜその商品を選んだのか」を突き詰めてみましょう。それがあなたのブランドの強みのはずです。
強みの見つけ方 その2:QPC分析を使う
もう一つ、あなたのブランドや商品の強みを見つけるのに役立つのが「QPC分析」です。
「品質」(Quality:クオリティ)
「価格」(Price:プライス)
「利便性」(Convenience:コンビニエンス)
の3つの頭文字をとってQPCです。
QPC分析のヒントを下記に羅列しますので、ご自身のブランドの強みを見つけるヒントにしてください。
【品質】(Quality)
- 品質: オーガニック、天然成分、無添加
- 売り手・作り手: 皮膚科医、研究所、職人
- 人気: 予約完売、雑誌掲載、◯◯受賞、〇〇万本突破
- 伝統: 老舗、◯年創業
- 権威: 美容家/メイクアップアーティスト愛用、デパコス
【価格(Price)】
- 低価格: お手頃価格、大容量なのに安い
- 合理性: 知る人ぞ知る高品質な逸品、訳あり
- 裏事情: アウトレット、規定外サイズ
【利便性(Convenience)】
- 簡易性:オールインワン、◯◯するだけ
- 納期: 翌日発送、メール便OK
- 専門性: ニキビ専用、皮膚科が開発
- 法人: エステ専用、大量注文OK
これらの要素を使ってサービスや商品の内容を振り返りながら、あなたのブランドや商品の強みを探してみてください。一つだけではなく何個か探せるといいですね。 それらを組み合わせることで強力なアピールになるはずです。
コンセプトをキャッチコピーにまとめよう
さて、あなたのブランドの強みが見つかったら、いよいよ最終ステップ。
見つけた強みを「キャッチフレーズ」にまとめてみましょう。
お客様はネットショップをひと目ちらりと見て、ピンとこなければそのまま帰ってしまいます。ですから、お店の魅力はひと目で伝える必要があります。
デザインや写真で伝えることももちろん必要ですが、一瞬で具体的に伝えられる「文字によるアピール」も非常に重要です。
ただ、文字で伝えると言っても、小さな文字でつらつらと書いても、まず読んでもらえないし、気づいてももらえないでしょう。「大きな文字で、パッと読める短い文章」がせいぜいです。
ですから、店舗の強み(=コンセプト)を「パッと読める1フレーズ」にまとめてみましょう。
これが「キャッチフレーズ」です。キャッチフレーズはサイトを訪れた瞬間に見えるように、ページの上部に掲載するのがおすすめ。<できれば、どのページからアクセスしても見られるといいですね。
ここからは、化粧品を例にQPCを使ったキャッチフレーズの例をご紹介します。 複数の強みを組み合わせつつ、短くて簡潔な文章を作るのがコツです。
【品質をアピールする例】
〇〇万本突破!テレビで話題の美容液
【品質と利便性の組み合わせ例】
これだけでお手入れ完了!ニキビ専門皮膚科が作ったオールインワンジェル
【品質と価格の組み合わせ例】
無添加にこだわった高品質・低価格のスキンケア
いかがでしょうか。「コンセプト」や「キャッチフレーズ」という言葉だけ聞くと難しい気がすると思います。ですが、
(1)QPC分析を使って要素を分解する
(2)要素を組み合わせて短い文章を作る
というステップを踏めば、必ずできるはずです。
コンセプトとキャッチフレーズがバシッと決まっていれば、お客様にとってお店の魅力が明快になりますし、あなた自身もサイトが作りやすくなるはずです。ぜひ、トライしてみてくださいね。