売上が低迷しているとき、成長軌道に持っていく方法とは?

最近、売上が下降気味だ。イマイチ上向いていかない。 そんなお悩みを打破するには「施策の選択と集中」がポイントです。 例として、私が担当した中小企業ブランドさんの実例をお話いたしますね。

売り上げ低迷に悩むある通販サイトさんのお話

中小のブランドさんで、特にオンラインショップやモールを立ち上げたばかりという場合、担当者お一人でやっていらっしゃるところも多くあると思います。

私が担当したある通販ショップの店長さんも、当初は独力で楽天でのショップ運営に取り組んでいらっしゃいました。自分なりに参考書やWEBで調べながら、ページの改善、集客対策など、お金をかけずにできる施策には手当たりしだいに挑戦。

でも、ブランド自体の知名度も低く、手探りの運営で売上はいつまでたっても低空飛行でした。

そんな状態を抜け出すため、「楽天スーパーSALE」に全力をかけようと決意。楽天全体で売上が伸びるセールですから、ここに参加すれば大きく売上が伸びるだろうと期待し、寝る間も惜しんで様々な施策に取り組みました。

ところが、終わってみればほとんど売上は上がらず。 店長さんは非常に落胆され、「もうどうしていいか分からない」と言って私達にご相談に来られたのです。

「施策の選択と集中」が大切な理由

ご相談を受けてショップを拝見し、行った施策をお聞きして、私達はひとつの問題点に気づきました。
それは「あれもこれもと色んな施策を少しずつやっていた」こと。
改善施策に取り組むのはとてもいいことですが、一人でできることには限界があります。あれもこれも一度に手を出すと中途半端になりがちですし、手間がかかりすぎて身動きがとれなくなる可能性があります。

実際、店長さんは「忙しすぎて一つ一つの施策をじっくり考えたり振り返ったりする時間がなかった」と語っていました。
また、一度に複数の施策に取り組むと、いったいどの施策がどの程度の効果を生んだのかという効果測定も難しくなります。

ですから、一番優先すべきことは何なのかを見極め、そこに集中しましょう。

一つずつ取り組めば、たとえ効果が出なくとも、「この方法は効果がなかった」という事がわかります。

「この方法は効果が出なかったので、次はこの方法を試してみよう」という改善行動を取ることができるのです。複数の施策を同時に行った場合、こうはいきません。よほど上手に効果測定をしないと、「うまく行ってるのかいないのかも分からない」という風になってしまいます。

「売上が変わらないな」と思っても、本当は「施策Aはうまく行っているがBが足を引っ張っている」だけかもしれません。
ところが、複数の施策が影響を及ぼし合ってしまい、それぞれの施策に対してうまく判断がつけられないのです。
効果測定や原因の切り分けがしにくいので、せっかくうまくいっている施策Aをやめてしまうなんてことにもなりかねません。

焦る気持ちはよく分かりますが、複数の施策を行いたい場合は、期間を決めて順番に行うことをおすすめします。

今回のショップの場合、あまりコストがかからず、効果が持続しやすいことから、まずは「検索対策」に絞って注力することにしました。

少しずつですが効果が現れ、他の施策にも順番に取り組んでいった結果、今では順調に売上が上がっています。

通販サイトを運営する中で「やるべきこと・やった方がいいこと」は数限りなくありますが、「優先するべきは何か?」ということをしっかり考えましょう。

「効果は大きいがコストがかかりすぎる」「手間の割に効果が小さい」といった施策もあるはずです。 その中から最もコスト対効果が優れた施策を見極め、そこに集中して取り組んでいきましょう。
「選択と集中」こそ、上手な通販サイト運営の基本ですよ。