- 「とにかくオシャレなデザインにしてほしい」
- 「デザインはデザイナーに任せればいい」
- 「ブランドの世界観をうまく伝えてくれるはず」
そんな考えでWEBサイト制作を丸投げしてしまうと、売れないサイト・成果が出ないデザインができあがるリスクが非常に高まります。
2025年現在、WEBデザインの役割は「美しく見せる」から「体験を最適化する」に進化しています。特にECサイトやD2Cブランドでは、“売上につながる設計とブランド価値の伝達”の両立が求められています。
本記事では、WEBサイトの新規立ち上げやリニューアル時に、WEB担当者がデザイン前に必ず準備すべきことを、最新トレンド・成功事例・具体ツールとともに解説します。
なぜ今、“WEBデザインの戦略設計”が必要なのか?
2025年の検索エンジン(Google)は、ページの見た目やテキスト量よりも、
- ユーザー体験(UX)
- モバイル表示最適化
- コンバージョン率(CVR)
- 離脱率/滞在時間
- ブランドの専門性と信頼性(E-E-A-T)
といった指標を総合的に評価しています。
つまり、「おしゃれ=正解」ではなく、「ユーザーの目的が達成できる設計」がSEOにも直結するということです。
検索流入と成約率を高めるWEBデザインには、構造・文章・視覚情報のすべてが連動していなければなりません。
【STEP1】WEBデザイン=“ブランド接客”だと認識しよう
WEBサイトは「オンラインの接客空間」です。
たとえば、路面店で高級コスメを買おうとしたとき、スタッフに「らっしゃい!ワンピ3割引だよ!」と声をかけられたら不信感を抱くはずです。
逆も然りで、庶民的な八百屋で「いらっしゃいませ。本日はオーガニックキャベツが大変お求めやすく…」と話されたら、距離を感じるでしょう。
このように、ブランドのポジショニングにふさわしい言葉選び・配色・構成設計が必要です。
WEBデザインもリアル店舗と同様に、「世界観」「価格帯」「客層」「価値観」に合った“接客トーン”を設計しましょう。
【STEP2】WEB担当者がデザイン前にやるべき5つの準備
① ブランドコンセプトと言語のトーンを明文化する
まずは、「誰に何を伝えたいか」を言語化しましょう。
項目 | 例(スキンケアブランド) |
---|---|
ターゲット | 30〜40代の敏感肌に悩む女性 |
世界観 | 上質・シンプル・機能性重視 |
禁止表現 | 安っぽさ・過剰な誇張・過度なセール感 |
ここでのポイントは、“見た目”ではなく「価値観の共有」です。
さらに、社内で決裁者や商品担当と共有し、認識のズレをなくすことで、デザイナーとのすり合わせもスムーズになります。
② 参考資料とトレンドビジュアルをストックする
デザインの方向性は、言葉だけでなく視覚資料で伝えるのが鉄則です。
活用ツール:
- Pinterest(参考デザイン収集・共有)
- Miro(チーム間のビジュアル共有)
- Instagram広告・海外D2CブランドのLP
2025年は「ナチュラル系」「モノトーン×余白」「生成色ベース」のブランド系が増加中。
ただし、単なる真似ではなく“自社らしさ”の抽出が鍵になります。
③ 配色設計(カラースキーム)は“アクセシビリティ”も考慮
WEBサイトのカラーは以下の3種で構成されます:
種類 | 機能 | 配色比率目安 |
---|---|---|
ベースカラー | 背景・余白 | 70% |
メインカラー | ブランドを象徴する色 | 25% |
アクセントカラー | CTA・強調 | 5% |
2025年のトレンド:
- ダークモード対応(背景を黒系にすることで目の負担軽減)
- 色覚バリアフリー(赤緑色覚に配慮した配色)
GoogleのCore Web Vitals評価でも、コントラスト比の最適化が表示順位に影響します。
④ モバイルファースト×UI/UX視点の構成設計
スマホ比率が8割超の今、「レスポンシブ」ではなく「スマホで先に考える」ことが常識です。
要注意のNG構成:
- メニューが複雑で迷う
- CTAが1つしかない
- スクロールが長く離脱される
改善のヒント:
- ファーストビューに1スクロールで「USP(独自の売り)」を提示
- CTA(購入・問い合わせ)を3箇所に分散設置
- “スクロールしたくなる導線”をストーリーテリング型で設計
2025年は「AIヒートマップ解析」や「自動ABテスト」も一般化しています。具体的には:
- Hotjar(スクロール・クリック分析)
- Microsoft Clarity(無料でAI解析)
- Optimizely(ABテスト)
⑤ 社内とデザイナー間で“認識を合わせる”
「イメージと違った」「やり直し」にならないために:
- 配色・レイアウト・言葉遣いの方向性はデザイン前にすり合わせ
- 「これはOK/これはNG」の実例を提示(スクショで共有)
- デザイン修正は1回以内で済むよう資料・ガイドラインを整備
トレンドでは「ブランドボイスガイドライン」を事前に作成する企業が増えています。
【STEP3】成果につながるデザイン戦略を知る
◎ “世界観 × 成果”を両立するための設計テクニック
セクション | 設計意図 | ポイント |
---|---|---|
ファーストビュー | 信頼・世界観を一瞬で伝える | 商品×体験×口コミのセット |
商品紹介 | 商品だけでなく「使う人の未来」も提示 | ライフスタイル写真、感情表現 |
CTA | 複数配置で接点を増やす | スマホでは指の動線を意識 |
レビュー | 写真・動画・SNS投稿(UGC) | 「リアルな声」が信頼に直結 |
セール要素 | 世界観を壊さず伝える | ポップアップや小バナーで調和を保つ |
【STEP4】AIと自動化でディレクションを高速化
2025年現在、以下のようなAI活用が普及:
作業 | AIツール例 |
---|---|
ワイヤーフレーム設計 | Uizard, Figma AI |
コピー生成 | ChatGPT, Jasper |
色・フォント提案 | Khroma, Colormind |
競合分析 | SimilarWeb, Crayon |
構成提案 | Framer AI, Notion AI |
重要なのは、「AIに初稿を任せて、最終調整を人が行う」スタイルです。
まとめ:WEBデザインは「戦略・共感・体験設計」の掛け算
かつては「オシャレ=良いデザイン」でしたが、今は違います。
- ターゲットとの共感
- 使いやすさ(UI/UX)
- コンバージョンへの導線
- ブランドとしての一貫性
これらすべてが設計されてこそ、「成果につながるWEBデザイン」が完成します。
そして、その設計の出発点は「発注者=WEB担当者」の事前準備にかかっています。
【今後公開予定】WEBディレクション支援ツールについて
本記事で紹介した内容を踏まえた「デザイン指示書テンプレート」や「配色ガイド」「UXチェックリスト」などの実務支援ツールは、現在準備中です。
公開準備が整い次第、順次ご案内いたします。
※ご興味のある方は、今後の更新をぜひご期待ください。