はじめに
WEBサイトがようやく完成して、広告やSNSで訪問者も集まり始めた。ここまで来ると、正直「ひとまずお疲れ」という気分になりますよね。クライアントさんも「やっぱり作ることが大変だった」と満足した顔をしたりします。
でも、ここからが本当の勝負なんです。
実は、WEBサイトの運用において最も成果に繋がるのは、公開後の「検証と改善」。これを甘く見ている企業さまが、本当に多いです。特に最近は、GA4の移行完了、AI解析の普及、個人情報保護の強化といった新しいトレンドが加わり、運用方法もガラッと変わっています。
なぜ解析と改善が必要なのか
実店舗だと、客足の変化や商品の動きって目で見えるじゃないですか。でもWEBは違います。すべてデータです。
来訪者がどこから来たのか、どのページを見て、どこで「あ、この人、戻った」って離脱したのか。広告にいくら使ったけど、実際どれだけ成果があったのか。こういう情報がないまま改善しようとしても、それは勘頼みと同じです。正しい対策を打つためには、まずデータを押さえないと始まらないのです。
ツール導入の落とし穴
最新のツールって、機能が豊富で一見すごく見えます。ただ、これらを単に「入れるだけ」では意味がありません。よくあるのが、Google Analyticsだけ眺めて「あ、数字が上がった」「下がった」で終わるパターン。これは分析じゃなくて、ただの数字チェックです。
大事なのは「この分析結果が何を意味していて、どのKPIに関連していて、だから次どんな改善をするのか」という一連の流れを、組織として論理的に組み込むこと。ツールはあくまで手段であって、目的じゃないんです。
解析ツール、今どうなってるの?
GA4は標準だけど、実は足りない部分が結構ある
Google Analytics 4(GA4)は、今や標準的な解析ツールになりました。ただ、正直言うと「このページのどこで人が離脱しているのか」「スクロールってどこまでされてるのか」といった見える化がまだ不完全な部分があります。
だから、最近は以下みたいなツールと組み合わせて使うのが流行っています:
- Microsoft Clarity…ヒートマップ、操作録画、スクロール調査が無料。これは本当に使えます
- Smartlook / Hotjar…ECサイトやフォーム離脱の分析に良い
- Ptengine / User Insight…日本語対応で、商用サイトのUX改善向け
設置も簡単なものが増えているので、GA4との両立が実務的です。
広告効果測定はどうすべきか
ちなみに、広告効果を測定する領域では「アドエビス」という国内ツールがかなりのシェアを占めています。複数の広告チャネルを一括測定したり、自然流入やメルマガも含めたコンバージョン分析、さらには「最後にクリックした広告だけ」じゃなく、間接的な貢献も含めたアトリビューション解析ができるとか。つまり、「広告の本当の価値」を見える化するためのツールですね。
2025年内にGoogle ChromeがサードパーティCookieを完全削除しますよね。それに伴って測定ロジックも「サーバーサイド資料」へ移行し始めています。これによって、CDPやCRMといった「自社データ」と分析ツールを連携させる「統合データ利用」が新しい測定の仕組みになっていくと見られています。
AI分析は、これからの武器
データ解析と検証って正直、これからはどんどんAIの領域になってきます。
数字を見て改善に繋げるというプロセスも、すでにAIが支援し始めています。
たとえば:
- KARTE…ユーザーの行動をセグメント分析して、自動でレコメンド表示
- SiTest…A/Bテストを自動実行したり、離脱の原因を自動で分析
- Mixpanel、Amplitude…SaaSやモバイルアプリ向けの分析
それにGA4自体にも、いま異常値を検知して通知する機能が搭載されつつあります。「通常と違う動きが起きてる」をシステム側が自動で突破できるようになったわけです。
改善を続けるために必要な運用体制
改善って、一度やったら終わりではありません。継続的に回し続けるプロセスです。
月次のレポートか週次のダッシュボード、どちらかで定期的にチェックする。KPIツリーを設計して、チーム全体で共有する。担当者だけじゃなく経営層も交えて改善会議を開く。A/Bテストやヒートマップを計画的に使う——こういった運用体制が求められます。
データ分析と仮説検証を繰り返していくことで、サイトの成果は確実に伸びていきます。
結論
WEBサイトの成功って、「どれだけ上手に作るか」じゃなくて、「どれだけ振り返って改善し、成果に繋げるか」で決まります。
今後は、GA4やヒートマップといった可視化ツール、AIによる分析サポート、そして組織全体で改善を習慣化させることが不可欠です。特に、ファーストパーティデータ(自社で直接集めたデータ)との連携も重要になってきます。
解析・改善の文化を本気で組織に根付かせる。それが、WEBマーケティングで持続的に勝ち続けるための唯一の鍵になるんだと、私たちも実感しています。