楽天の手数料は高い?【2025年最新】隠れコストの内訳と利益率改善の対策

 はじめに

 「楽天に出店して売上は順調に伸びているのに、月末の請求書を見て愕然とした…」

  「思ったよりも手元に利益が残らないのは、楽天の手数料が高いから?」

  ECモール、特に国内最大級の楽天市場を運営されている多くの店長様が、一度は抱える悩みではないでしょうか。その原因は、出店プラン料金(月額固定費)以外に、売上に応じて変動する極めて複雑な手数料構造にあります。一見すると気づきにくい、しかし着実に利益を圧迫していく、いわば『隠れコスト』が存在するのです。

  この記事では、私たちSBマーケティングデザインが、元ECコンサルタントの視点から、楽天市場の複雑な手数料の内訳を一つひとつ分解し、楽天の手数料が高いと感じる事業者様が利益率を改善するための具体的な対策までを解説します。

  【重要:はじめにお読みください】

  本記事に記載されている手数料の料率は、2025年時点の一般的な情報や公式サイトの情報を元にしており、解説のための参考値です。実際の料率は、ご契約の出店プラン、商材カテゴリ、売上規模などによって常に変動します。必ずご自身の管理画面(RMS)で最新の正確な情報をご確認ください。


  楽天の手数料構造:全体像と隠れコストの内訳【2025年版】

 まず、楽天の手数料は大きく2つに分けられます。

   1. 月額固定費: 出店プラン(がんばれ!プラン、スタンダードプランなど)に応じた月額の費用。

   2. 変動費: 売上が発生するたびにかかる費用。

  多くの店長様が混乱しがちなのが、この「変動費」です。今回はこの変動費、特に見落としがちな「隠れコスト」に焦点を当てて解説します。

  楽天の隠れコスト:具体的な手数料項目と注意点

  売上から差し引かれる変動費は、単一の「システム利用料」だけではありません。複数の項目が積み重なっていることを理解しましょう。

   1. システムサービス利用料

  いわゆる「販売手数料」の基本です。PC・モバイル経由の月間売上高に対して、プランに応じた料率が課金されます。

       * 料率の目安: 2.0% 〜 7.0% 程度

       * 注意点: この「売上高」には、商品代金だけでなく、送料やラッピング料なども含まれる場合があります。

   2. ポイントキャンペーン原資負担

      楽天の魅力である「楽天ポイント」。通常、お客様への1%分のポイントは、全額出店者側の負担です。さらに「お買い物マラソン」などでポイント倍率がアップする際、その上乗せ分の一部または全部を、出店者が負担するケースがあります。

   3. 楽天アフィリエイト手数料(二重構造に注意!)

      ご指摘いただいた、最も複雑で「隠れている」コストです。この手数料は2段階の構造になっています。

       * ① パートナーへの成果報酬(対売上)

          アフィリエイターのサイト経由で売上が発生した際、売上高に対して支払う成果報酬です。

           * 料率の目安: 商品ジャンルに応じ 2.0% 〜 4.0%

       * ② 楽天へのシステム利用料(対成果報酬)

          上記①で計算されたパートナーへの成果報酬額に対して、さらに楽天へ支払うシステム利用料です。

           * 料率の目安: パートナーへの成果報酬額に対し 15.0% 〜 30.0%

       * ポイント: 例えば、10,000円の商品がアフィリエイト経由(ジャンル料率4.0%)で売れた場合、合計のアフィリエイト関連費用は520円となり、売上に対する実質的な料率は5.2%となります。見た目の料率(4.0%)より高くなることを理解しておく必要があります。

   4. 楽天ペイ(楽天市場決済)利用料

      お客様が利用する決済方法(カード等)の利用手数料です。

       * 料率の目安: 2.5% 〜 3.5% 程度

       * 注意点: お客様が支払う合計金額(商品代金+送料+消費税など)に対して課金されます。

   5. 安全性・利便性向上のためのシステム利用料

      全店舗対象で、システムの安全性維持などのために課金される手数料です。

       * 料率の目安: 0.1%

  その他、EC利益率を圧迫するコスト要因

  上記の主要な変動費以外にも、以下のようなコストが発生する可能性があります。

   * R-Card Plus手数料: 楽天カード会員向けの販促手数料。

   * 各種プロモーション費用: クーポンアドバンス広告やCPA広告など、任意参加の広告・販促費用。これらも実質的なコストとして利益を圧迫します。

   * 楽天スーパーロジスティクス(RSL)利用料: 外部倉庫RSLを利用する場合の、保管・出荷作業・配送等の費用。

   * アドバンスオプション利用料金: アフィリエイト料率を高めに設定できる等のオプション。月額10,000円ですが、現在は無料期間となっています。


  楽天手数料シミュレーション:利益率への影響を可視化

  これらの手数料を考慮すると、実際に利益はどのくらい残るのでしょうか。

  (仮に、システムサービス利用料4.0%、アフィリエイトのジャンル料率4.0%、同システム利用料30.0%、楽天ペイ利用料3.0%と仮定)

項目 計算式 金額
売上 10,000円
システムサービス利用料 10,000円 × 4.0% -400円
ポイント原資 10,000円 × 1.0% -100円
アフィリエイト手数料
└ パートナーへの報酬 10,000円 × 4.0% = 400円 -400円
└ 楽天へのシステム利用料 400円 × 30.0% = 120円 -120円
楽天ペイ利用料 10,000円 × 3.0% -300円
安全性向上利用料 10,000円 × 0.1% -10円
手数料合計 (実質料率 13.3%) -1,330円
手数料差し引き後の金額 8,670円

  いかがでしょうか。

  アフィリエイト手数料の二重構造を考慮すると、手数料合計は売上の13%を超えてきました。ここからさらに商品の原価、梱包資材費、人件費、そして月額の出店プラン料金が引かれるわけですから、最終的な純利益は想像以上に少なくなる可能性があります。


  楽天の手数料が高いと感じたら?利益率改善への対策

  楽天市場は、その圧倒的な集客力で売上を伸ばすための強力なプラットフォームです。しかし、その力を最大限に活用し、かつ事業として健全な利益を確保するためには、この複雑な手数料構造を正確に理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。

  「手数料が高いから」と、すぐに「脱・楽天」を考えるのは得策ではありません。

  まずはご自身の店舗の請求書を改めて確認し、どの手数料がどれくらいかかっているのかを把握することから始めましょう。

  その上で、以下の対策を検討することが、EC利益率改善への第一歩となります。

   1. 現状の利益構造を正確に把握する:

      商品別、カテゴリ別の利益率を算出し、どの商品が楽天で利益を出しやすいか、出しにくいかを明確にします。

       * 【関連コラム】 楽天市場の手数料は高い?モール依存より大切な「自立」戦略と利益率30%改善の実践法

    2. 楽天と自社ECのハイブリッド戦略を導入する:

      集客力のある楽天と、利益率の高い自社ECサイトを併用し、それぞれのチャネルの強みを活かします。楽天で新規顧客を獲得し、自社ECでリピート購入を促すことで、全体の利益率を向上させます。

       * 【関連コラム】 自社ECで利益率改善!楽天月商100万円の雑貨店がShopify併用で利益8万円増の事例

     3. 自社ECサイトへの誘導を強化する:

      楽天の規約に違反しない範囲で、同梱物や購入後メール、LINE公式アカウントなどを活用し、楽天で購入したお客様を自社ECサイトへ誘導する仕組みを構築します。


  私たちSBマーケティングデザインは、ECモール出店者様が抱える利益構造の課題に対し、現状分析から自社ECサイトの構築・活用を含めた最適な解決策をご提案する専門家です。

  「自社の手数料構造を詳しく分析してほしい」

  「利益率を確保できる、具体的なアドバイスが欲しい」

  といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度、お気軽に無料相談へお問い合わせください。あなたの事業の成長を、誠心誠意サポートいたします。


Illustration by Storyset

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