楽天出店の利益率は平均10%?赤字店舗から脱却し、利益率を25%に改善する5ステップ

はじめに

「楽天で売上は上がっているのに、なぜか利益がほとんど残らない…」
「うちの店の利益率は、果たして平均的なのだろうか?」

そんな悩みを抱える店長様は少なくありません。明確な統計はありませんが、私たちのコンサルティング経験上、多くの楽天出店者の営業利益率は10%前後に落ち着くことが多く、意識的に利益管理をしなければ、赤字に陥るケースも珍しくありません。
この記事では、あなたのショップの利益構造を正確に分析し、赤字状態から脱却して、利益率25%の「儲かる店舗」へと生まれ変わるための具体的な5つのステップを、ECコンサルのプロが徹底解説します。

まずは自社の利益率を知る【計算ワークシート付】

利益率改善の第一歩は、感覚ではなく「数字」で現状を正確に把握することです。

1-1. なぜ、ほとんどの店舗が利益率を正確に把握できていないのか?

多くの店長様が、売上やアクセス数といった「目に見えやすい数字」は追っていても、「本当の利益」がいくらなのかを正確に計算できていません。楽天の複雑な手数料や、変動する広告費などが、どんぶり勘定を招きやすいのです。

1-2. 楽天出店における「利益」の正しい計算式

まず、「粗利」と「営業利益」の違いを理解しましょう。

売上総利益(粗利): 売上から、商品の原価を引いたもの。

営業利益: 粗利から、さらに楽天の手数料や広告費、人件費などの「販売費及び一般管理費(販管費)」を引いた、最終的な本業の儲け。 私たちが目指す「利益率」とは、この「営業利益率」です。

営業利益率 (%) = (売上 – 商品原価 – 楽天手数料 – 広告費 – その他販管費) ÷ 売上 × 100

1-3. 【コピペで使える】利益率計算ワークシート

この計算式を使えば、あなたのショップの現状が分かります。スプレッドシートなどに以下の項目をコピーして、ご自身の数値を入力してみてください。

項目 金額
A. 月間売上高
B. 商品原価
C. 楽天手数料合計
D. 広告費合計
E. その他販管費(人件費、家賃等)
F. 営業利益 (A-B-C-D-E)
G. 営業利益率 (F÷A×100) %

楽天出店の平均利益率と、あなたの店の「健康診断」

計算結果はいかがでしたか?その数字が、楽天市場全体でどのレベルにあるのか、目安を見てみましょう。

2-1. 楽天におけるコスト構造の全体像

利益率を圧迫するコストは、大きく「変動費」と「固定費」に分けられます。

変動費: 売上に比例して増えるコスト(楽天手数料、広告費、商品原価、送料など)

固定費: 売上に関わらず発生するコスト(月額出店料、人件費、事務所家賃など) 利益率を改善するには、これらのコストを一つひとつ見直していく必要があります。

2-2. 目指すべき利益率の目安は?

業種や商材によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

営業利益率10%以下: 危険水域(要改善)。売上が増えるほど忙しくなるだけで、利益がほとんど残らない状態。

営業利益率10%〜20%: 平均レベル。まずはここを目指したいライン。

営業利益率20%以上: 優良店舗。安定した事業運営ができている状態。

2-3. あなたの店舗はどのレベル?

先ほどのワークシートで算出したご自身の営業利益率と、上記の目安を比べてみましょう。もし10%を下回っている場合、早急な対策が必要です。

楽天で利益率が低い店舗に共通する「3つの原因」

利益率が低い店舗には、いくつかの共通点があります。

原因1:広告費(特にRPP広告)のかけすぎ

売上を伸ばすために、ROAS(広告費用対効果)を度外視して広告費を使いすぎていませんか?特にRPP広告は、効果測定が曖昧なまま垂れ流しになりがちです。

原因2:利益の出ない「目玉商品」への依存

セール時などに、利益を度外視した「目玉商品」で集客し、その売上に満足してしまっていませんか?集客はできても、利益を圧迫する大きな原因です。

原因3:リピーターが育たず、常に新規顧客を追いかけている

楽天の顧客は、ポイントや価格で店舗を渡り歩く傾向があります。リピーターを育てる仕組みがないと、常に広告費をかけて新規顧客を獲得し続ける、自転車操業に陥ってしまいます。

利益率を10%→25%に改善するための5つのステップ

それでは、具体的な改善アクションプランを5つのステップでご紹介します。

ステップ1:商品別利益率の分析と「戦略商品」の再定義

まず、どの商品が利益に貢献しているのかを可視化します。全商品の利益率を計算し、「集客商品(利益は低いが売れる)」と「収益商品(利益率が高い)」を明確に分け、販売戦略を再構築します。

ステップ2:広告費用の最適化とROASの改善

成果の出ていない広告は勇気を持って停止しましょう。そして、広告だけに頼らない集客施策を導入することが重要です。

【関連コラム】 ECサイト集客【広告費ゼロ】最初の100人を獲得するロードマップ

ステップ3:リピート率向上のためのCRM施策

サンクスメールでのフォロー、リピート購入を促すクーポンの配布、LINE公式アカウントでの定期的なコミュニケーションなど、顧客との関係を築く(CRM)施策でリピート率を高めます。

ステップ4:自社ECサイトを構築し「利益の受け皿」を作る

利益率改善の最も効果的な一手が、自社ECサイトの構築です。楽天に比べて手数料が格段に安いため、同じ商品が売れても、手元に残る利益が大きく変わります。

ステップ5:楽天と自社ECのハイブリッド戦略を開始する

楽天は「新規顧客との出会いの場(広告塔)」、自社ECは「リピーターから利益を得る場所」と、役割を明確に分担します。楽天で獲得したお客様を、自社ECへ賢く誘導する仕組みを作りましょう。

【関連コラム】 楽天の手数料は高い?【2025年最新】隠れコストの内訳と利益率改善の対策

まとめ:利益率改善は、正しい分析と手順から

楽天出店における利益率の改善は、感覚ではなく「数字」に基づいた現状分析から始まります。そして、本記事で紹介した5つのステップを着実に実行すれば、誰でも「儲かる店舗」へと生まれ変わることができます。

私たちSBマーケティングデザインは、貴社の利益構造を正確に分析し、利益率を改善するための具体的な戦略設計と実行をサポートする専門家です。 「自社の利益率を、プロの目で分析してほしい」「何から手をつければ良いか、具体的なアドバイスが欲しい」 そんな時は、ぜひお気軽に無料相談をご利用ください。あなたのEC事業を、次のステージへと引き上げるお手伝いをいたします。

無料相談はこちら


Illustration by Storyset

>

「売上が伸びない」「人手が足りない」「自社ECを成長させたい」──そんな悩みを抱える中小EC事業者様に向けて、実務経験15年以上のプロが現場目線で本質的な改善を支援します。 制作や広告にとどまらず、戦略設計から実行まで一貫して伴走。初期費用ゼロ・月5万円から導入でき、小規模でも無理なく始められます。 楽天・Yahoo!・自社ECを問わず、「変えたい」と思ったその時が第一歩。 まずは無料でご相談ください。