楽天出店の利益率は平均10%?赤字店舗から脱却し、利益率を25%に改善する5ステップ

はじめに

「楽天で売上は伸びてるのに、なぜか手元にお金が残らない…」

こういうお悩み、非常に多いです。

先月も月商500万円のとあるアパレル店舗さんから相談があったのですが、蓋を開けてみたら営業利益率は3%。「忙しいだけで全然儲かってない」という、かなり深刻な状態でした。

「うちの店の利益率って、他と比べてどうなんだろう?」って気になりますよね。明確な統計データはないのですが、私たちがこれまでコンサルしてきた経験から言うと、楽天出店者の営業利益率は10%前後に落ち着くことが多いです。意識的に利益管理してないと赤字に転落するケースも珍しくありません。

この記事では、あなたのショップの利益構造を正確に分析して、赤字状態から脱却して利益率25%の「儲かる店舗」へ生まれ変わるための具体的なステップを解説していきます。

まず自社の利益率を知ろう【計算ワークシート付】

利益率改善の第一歩は、感覚ではなく「数字」で現状を正確に把握すること。これ、本当に大事です。

なぜほとんどの店舗が利益率を把握できていないのか

多くの店長さんが、売上とかアクセス数みたいな「目に見えやすい数字」は追っています。ですが、「本当の利益」がいくらなのかを正確に計算できていません。楽天の複雑な手数料や変動する広告費が、どんぶり勘定を招きやすいのです。

あと、正直に言うと…計算するのが面倒くさいっていうのもありますよね。私も最初はそうでした(笑)

楽天出店における「利益」の正しい計算式

まず「粗利」と「営業利益」の違いを理解しましょう。

売上総利益(粗利): 売上から商品の原価を引いたもの。

営業利益: 粗利から、さらに楽天の手数料や広告費、人件費などの「販売費及び一般管理費(販管費)」を引いた、最終的な本業の儲け。

私たちが目指す「利益率」というのは、この「営業利益率」のことです。

営業利益率 (%) = (売上 – 商品原価 – 楽天手数料 – 広告費 – その他販管費) ÷ 売上 × 100

【コピペで使える】利益率計算ワークシート

この計算式を使えば、あなたのショップの現状が分かります。スプレッドシートなどに以下の項目をコピーして、ご自身の数値を入れてみてください。

項目金額
A. 月間売上高
B. 商品原価
C. 楽天手数料合計
D. 広告費合計
E. その他販管費(人件費、家賃等)
F. 営業利益 (A-B-C-D-E)
G. 営業利益率 (F÷A×100)%

ちなみにEの「その他販管費」には、梱包資材費とか配送業務の人件費なども入ります。細かく言うと色々あるのですが、まずは大まかに把握することが大事です。

楽天出店の平均利益率と、あなたの店の「健康診断」

計算結果はどうでしたか?

余談:数字を見るのが怖い気持ち、分かります

そういえば、以前支援していた食品系の店舗さんが「怖くて計算できなかった」とおっしゃっていました。気持ちは分かります。でも現実を知らないと改善もできないので、勇気を出して計算してみてください。

楽天におけるコスト構造の全体像

利益率を圧迫するコストは、大きく「変動費」と「固定費」に分けられます。

変動費: 売上に比例して増えるコスト。楽天手数料、広告費、商品原価、送料など。

固定費: 売上に関わらず発生するコスト。月額出店料、人件費、事務所家賃など。

利益率を改善するには、これらのコストを一つひとつ見直していく必要があります。

目指すべき利益率の目安:

業種や商材によって変わってきますが、一般的な目安はこんな感じです。

営業利益率10%以下:危険水域

要改善です。売上が増えるほど忙しくなるだけで、利益がほとんど残らない状態。

冒頭で話した月商500万円のアパレル店舗さんがまさにこれでした。「売上は順調なのに、なぜか苦しい…」という典型的なパターンです。

営業利益率10%〜20%:平均レベル

まずはここを目指したいライン。

営業利益率20%以上:優良店舗

安定した事業運営ができている状態です。ここまで来ると、経営者として余裕が出てきますね。

あなたの店舗はどのレベル?

さっきのワークシートで算出したご自身の営業利益率と、上の目安を比べてみてください。もし10%を下回っている場合は、早急な対策が必要です。

楽天で利益率が低い店舗に共通する3つの原因

利益率が低い店舗には、いくつかの共通点があります。

原因1:広告費(特にRPP広告)のかけすぎ

売上を伸ばすために、ROAS(広告費用対効果)を度外視して広告費を使いすぎていませんか?

特にRPP広告って、効果測定が曖昧なまま垂れ流しになりがちなんですよね。これ、本当に多いです。

実は私たちも昔、クライアントさんのRPP広告を見直したら月30万円を削減できたことがあります。でも売上はほとんど変わらなかったのです。悲しいですが、その分の広告費が今まで無駄になってしまっていたということです。

原因2:利益の出ない「目玉商品」への依存

セール時なんかに利益を度外視した「目玉商品」で集客して、その売上に満足してしまっていませんか?集客はできても、利益を圧迫する大きな原因になります。

原因3:リピーターが育たず、常に新規顧客を追いかけている

楽天のお客様って、ポイントや価格で店舗を渡り歩く傾向があります。リピーターを育てる仕組みがないと、常に広告費をかけて新規顧客を獲得し続ける自転車操業に陥ってしまいます。

これ、想像以上に疲弊します…。

利益率を10%→25%に改善するための5つのステップ

それでは具体的な改善アクションプランを紹介していきますね。

全部一度にやろうとすると大変なので、できそうなところから始めてください。

ステップ1:商品別利益率の分析と「戦略商品」の再定義

まず、どの商品が利益に貢献しているのかを可視化します。

全商品の利益率を計算して、「集客商品(利益は低いけど売れる)」と「収益商品(利益率が高い)」を明確に分けて、販売戦略を再構築していきます。

エクセルで、簡単な表で構いません。「あれ、この商品って実は赤字だったんだ」みたいな発見があるはずです。

ステップ2:広告費用の最適化とROASの改善

成果の出ていない広告は勇気を持って停止しましょう。

そして、広告だけに頼らない集客施策を導入することが重要です。これができると、利益率が劇的に改善することも多いです。

関連コラムで詳しく書いてます→[ECサイト集客【広告費ゼロ】最初の100人を獲得するロードマップ]

ちょっと余談

ステップ3に行く前に。

さっき「リピーターを育てる」という話をしましたが、これが本当に利益率改善の鍵になります。新規顧客獲得コストは、リピーター獲得の5倍かかると言われています。だから、次のステップがとても重要なのです。

ステップ3:リピート率向上のためのCRM施策

サンクスメールでのフォローとか、リピート購入を促すクーポンの配布、LINE公式アカウントでの定期的なコミュニケーションなど…顧客との関係を築く(CRM)施策でリピート率を高めていきます。

ちなみにLINEって、メールよりも開封率が断然高いので使わない手はありません。

以前支援した店舗さんで、LINE登録者に月1回「店長の独り言」みたいな感じでゆるい情報発信をしたところ、リピート率が15%から28%まで上がったことがありました。完璧なマーケティングメッセージじゃなくても、人柄が伝わるコミュニケーションって効果がありますね。

ステップ4:自社ECサイトを構築して「利益の受け皿」を作る

利益率改善の最も効果的な一手がこれです。

楽天に比べて手数料が格段に安いので、同じ商品が売れても手元に残る利益が大きく変わってきます。

具体的な構築方法については別のコラムで解説しているので、そちらをご覧ください。

【2025年版】自社ECサイトの始め方|モール出店者が失敗しないための7ステップ

ステップ5:楽天と自社ECのハイブリッド戦略を開始する

楽天は「新規顧客との出会いの場(広告塔)」として使って、自社ECは「リピーターから利益を得る場所」として役割を明確に分担します。

楽天で獲得したお客様を自社ECへ賢く誘導する仕組みを作りましょう。

詳しくはこちら→[楽天の手数料は高い?【2025年最新】隠れコストの内訳と利益率改善の対策]

これは好みが分かれるところですが、私たちの経験上、月商300万円を超えたあたりから自社ECとの併用を本気で考え始めるといいでしょう。それ以下だと、まずは楽天で売上を伸ばすことに集中した方が効率的かなと思います。

まとめ:利益率改善は正しい分析と手順から

楽天出店における利益率の改善は、感覚じゃなくて「数字」に基づいた現状分析から始まります。

この記事で紹介した5つのステップを着実に実行すれば、誰でも「儲かる店舗」へと生まれ変わることができるはずです。

5つ全部を一度にやろうとしなくて大丈夫。まずはステップ1の「商品別利益率の分析」だけでもやってみてください。それだけでも見えてくるものがあるはずです。


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