はじめに
楽天やYahoo!ショッピングでの運営にも慣れてきて、「そろそろ自社のECサイトを立ち上げようかな」と考えている方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。
ただ、いざ始めようと思っても「何から手をつければいいんだろう…」って迷いますよね。
私たちがこれまで相談を受けてきた中でも、ECモールでの販売経験はあるのに、自社ECサイトをゼロから作るとなると戸惑う方がすごく多いんです。実際、最初の相談で「とりあえずShopifyのアカウントだけ作ったんですけど、そこから何も進んでなくて…」という話を聞くことも少なくありません。
そこでこの記事では、モールで販売している事業者さんが自社ECを始めるときに失敗しないための、具体的なステップを解説していきます。2025年の最新情報をベースに、プラットフォーム選びから集客の準備まで、全体の流れが掴めるようにまとめました。
今、モール出店者が自社ECサイトを始めるべき理由
具体的な手順に入る前に、なぜ今自社ECなのか、という話を少しさせてください。
正直なところ、自社ECサイトを立ち上げるのは楽じゃありません。モールと違って集客も全部自分でやらなきゃいけないし、決済や配送、規約ページの作成まで、全部自分で準備する必要があります。
それでも自社ECをやる意味があるのは、こういう理由からです。
利益率がまったく違う
モールでの販売は高額な販売手数料がネック。自社ECならそれがないので、売上がそのまま利益になりやすい。月商100万円でも、手元に残る金額が全然変わってきます。
自由にブランディングができる
モールだとデザインの制約があったり、販促方法にルールがあったりしますが、自社ECなら全部自由。自分たちの世界観を思い通りに表現できます。
顧客データが自社の資産になる
これが実は一番大きいかもしれません。お客さんの情報を自分たちで管理できるから、リピート施策やメルマガ、LINE配信なんかも好きに活用できる。長期的に見ると、この差は本当に大きいです。
ただ、デメリットもちゃんと理解しておく必要があります。モールだと勝手にお客さんが来てくれることもありますが、自社ECはそうはいきません。ゼロから集客の仕組みを作る覚悟が必要です。
自社ECサイトを立ち上げる具体的なステップ
では、ここから具体的にどう進めていくかを見ていきましょう。
まずはコンセプトを固める
最初にやるべきは、どんなECサイトにしたいのかを決めることです。ここがブレると後で全部ブレるので、時間をかけてでもしっかり考えてください。
考えるべきポイントは以下の通りです。
- 誰に売るのか?(ターゲットはどんな人?)
- 何を売るのか?(モールと同じ商品?それとも自社EC限定?)
- どう売るのか?(ブランドの世界観、価格帯、他との違いは?)
- 目標は?(半年後、1年後の売上や利益率)
ちなみに、「モールと同じ商品を売るか、限定商品を出すか」で迷う方が多いんですが、最初はモールと同じ商品でも全然OKです。むしろその方が在庫管理も楽だし、リスクも少ない。限定商品は軌道に乗ってからでも遅くありません。
ECカートを選ぶ
次に、自社ECサイトを作るためのシステム(ECカート)を選びます。今だとShopify、BASE、STORESの3つが主流ですね。
Shopify
拡張性が高くて、本格的にやりたい人向け。海外販売とか考えてるなら、これ一択かもしれません。ただし英語のドキュメントが多かったり、ちょっと学習コストがかかります。
BASE / STORES
初期費用も月額も無料(売れたときだけ手数料がかかる仕組み)で、とりあえず始めてみたい人には最適です。
どれを選ぶかは、自分の事業規模や目標次第。「まずは小さく始めて様子を見たい」ならBASEかSTORES、「最初から本気でやる」ならShopify、という感じで選んでいいと思います。
【関連コラム】 Shopify・BASE・STORES徹底比較【2025年最新】ECカートの選び方とおすすめ
ドメインと決済方法を準備する
ここは地味だけど重要なステップです。
ドメインは、ネット上の住所みたいなもの。「〇〇.com」とか「〇〇.jp」とかですね。ブランド名を使ったシンプルなものがいいです。お名前.comとかムームードメインで取得できます。年間1,000円〜2,000円くらいです。
決済方法は、クレジットカードは絶対に必要。それ以外にも、コンビニ決済、銀行振込、キャリア決済、後払いなど、ターゲットのお客さんが使いやすそうな決済方法を複数用意しましょう。若い世代ならキャリア決済や後払いの需要が高いし、年配の方なら銀行振込を好む人も多いです。
Shopifyペイメントとかを使えば、わりと簡単に複数の決済方法を導入できます。
サイトのデザインと商品登録(ここが一番時間かかります)
ここからが本格的な作業です。正直、ここで挫折する人も多い。
選んだECカートのテンプレートを使って、ブランドカラーやロゴを設定していきます。「デザインセンスないんだよな…」って心配する方もいますが、最近のテンプレートは最初からかなり完成度が高いので、色とフォントを変えるだけでもそれなりに見えます。
【関連コラム】 ECサイトのデザイン改善3つのポイント|素人でもできる売れるサイトの作り方
商品登録では、写真、説明文、価格、在庫数などを入れていきます。ネットだと実物に触れることができないので、写真は特に大事。できれば複数の角度から撮った写真を用意してください。スマホでも全然OKです。
【関連コラム】 商品写真の撮影はスマホアプリでOK!ECサイトでプロ並みに見せる無料ツール5選
商品数が多いと、この作業だけで1ヶ月くらいかかることもあります。最初は主力商品だけ登録して、残りは公開後に追加していく、というやり方でもいいと思います。
あ、そうだ。商品登録と並行して、法的なページも作っておく必要があります。
特定商取引法に基づく表記(事業者の名前、住所、電話番号など)、プライバシーポリシー(個人情報をどう扱うかの説明)、利用規約(返品や交換の条件)。この3つは法律で決まっているので必須です。
これらはお客さんが安心して買い物するための「約束事」みたいなもの。テンプレートも色々出回ってるので、それをベースにカスタマイズするのが早いです。
【関連コラム】 【コピペで使える雛形付】自社ECサイトに必要な『特定商取引法に基づく表記』の正しい書き方(※今後作成予定)
ここで重要なのが集客の準備
サイトを公開しただけでは誰も来てくれません。これ、本当に重要なので強調しておきます。
モールに慣れてると「公開すれば少しは売れるでしょ」って思いがちなんですが、自社ECは違います。Google検索で上位に出るまでには時間がかかるし、最初は本当に誰も来ません。
だから、公開前から集客の準備を始めておく必要があるんです。
具体的には、Instagram、X(旧Twitter)、LINE公式アカウントなど、商品と相性のいいSNSアカウントを開設して、フォロワーを増やし始める。「まだサイトできてないのに?」って思うかもしれませんが、先にコミュニティを作っておくイメージです。
それから、Googleアナリティクスを設定して、どれくらい人が来てるか分かるようにしておく。サイト内にブログも作っておいて、SEO対策の準備もしておきましょう。
テストして公開
さあ、いよいよ公開…の前に、必ずテストをしてください。
実際にカートに商品を入れて、決済して、注文確認メールが届くまでの一連の流れを確認します。スマホとPCの両方でちゃんと見られるかもチェック。特にスマホは重要です。今はECサイトの7割くらいがスマホからのアクセスなので。
全部OKなら、公開ボタンを押しましょう。おめでとうございます!
よくある質問に答えます
費用はどれくらいかかる?
Shopify、BASE、STORESを使えば、初期費用は0円〜数万円で始められます。Shopifyだと月額33ドル(約5,000円)、BASEとSTORESは売れたときだけ手数料がかかる仕組み。デザインや機能にこだわるなら、制作会社に頼むと30万〜100万円くらいかかることもあります。
どのくらいで公開できる?
商品数やこだわり次第ですが、上記のステップ通りに進めれば1〜3ヶ月くらいが目安です。私たちが見てきた中では、「とにかく早く」という人で1ヶ月、じっくり作り込む人で3〜6ヶ月くらいかかってます。
公開したらすぐ売れる?
これ、本当によく聞かれるんですが…残念ながら、すぐには売れません。
モールでの経験があると「公開すれば数件は売れるだろう」って期待しちゃうんですが、自社ECは本当にゼロからのスタートです。最初の1件が売れるまでに1ヶ月かかることも珍しくありません。
だからこそ、さっき話した集客の準備を、公開後すぐに実行する必要があるんです。最初の100人を獲得するまでが最初の山場ですね。
【関連コラム】 ECサイト集客【広告費ゼロ】最初の100人を獲得するロードマップ
計画的に進めることが成功のカギ
自社ECを始めるとき、勢いだけで突っ走るのは危険です。
ECモールでの経験がある方なら、商品撮影とか説明文の書き方とか、活かせるノウハウも多いはず。ただ、「集客は自分でやる」という大きな違いだけは、しっかり意識しておく必要があります。ここを甘く見ると、せっかく作ったサイトが誰にも見られないまま放置…なんてことになりかねません。
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