【2026年版】楽天・ヤフー出店者が「自社ECサイト」で9割失敗する理由と、成功への7ステップ

はじめに:「手数料が浮く」という皮算用は捨ててください

「楽天の手数料が高いから、自社ECサイトを作って利益率を上げたい」

私たちのもとに相談に来られるモール出店者の多くが、こう口を揃えます。

15年以上EC業界にいる私から、最初に厳しい現実をお伝えします。

「手数料が浮く分を、集客コスト(広告費)が上回る」のが、自社ECの初期フェーズの真実です。

楽天やヤフーショッピングは、高い出店料の代わりに「圧倒的な集客力」を提供してくれています。自社ECサイト(本店)を作るということは、その恩恵を捨て、砂漠の真ん中にポツンと店を出すようなものです。

では、自社ECはやるべきではないのか?

いいえ、絶対にやるべきです。ただし、「脱モール」を焦るのではなく、「モールの集客力」と「自社サイトの利益率」を両立させる戦略が必要です。

今回は、2026年の市場環境を踏まえ、モール店長が自社EC立ち上げで失敗しないための、泥臭くも確実な7ステップを解説します。

1. なぜ今、モール店長が自社ECを持つべきなのか?

2026年現在、モールだけに依存するリスクは年々高まっています。

  • プラットフォームの規約変更: 手数料の値上げや検索ロジックの変更に、店の命運が左右される。
  • 顧客リストの不在: 「楽天の顧客」であって「あなたの店の顧客」ではないため、直接のDMやLINE配信が制限される。
  • 価格競争の激化: 型番商品は、1円単位の価格競争に巻き込まれ続ける。

自社ECサイトを持つ最大のメリットは、「顧客リストを資産化できること」です。

一度購入してくれたお客様に、LINEやメルマガで直接アプローチし、リピーターになってもらう。この「資産の積み上げ」こそが、自社ECの真価です。

※本記事に掲載している事例は、クライアントの特定を防ぐため、一部の数値や条件などを変更しております。

2. 自社EC立ち上げの「生存戦略」7ステップ

モール運営の経験があるからこそ陥りやすい罠を回避しながら、着実に進めるステップをご紹介します。

ステップ①:コンセプトは「モールとの差別化」

「モールと同じ商品を、同じ価格で売る」

これでは誰も自社サイトで買いません。ポイントがつく楽天で買います。

自社EC独自の「買う理由」が必要です。

  • 本店限定のセット商品(例:お試しセット、定期購入)
  • 本店だけの会員ランク制度
  • LINE登録ですぐ使えるクーポン

最初は「リピーター様専用サイト」という位置づけでも構いません。モールの同梱物にチラシを入れ、「本店なら次回使えるクーポンがあります」と誘導する動線から考えましょう。

ステップ②:ECカート選定(2026年の最適解)

選択肢は主に3つですが、事業規模と目的で明確に分かれます。

  1. Shopify(ショッピファイ):【推奨】
    • 対象: 月商100万以上を目指す、リピート施策を強化したい店舗。
    • 理由: アプリでの機能拡張が最強。LINE連携や定期購入の実装が容易。2026年のスタンダードです。
  2. futureshop / makeShop
    • 対象: 日本独自の商習慣(ポイント機能や細かい会員ランク)を重視する、中〜大規模店舗。
    • 理由: サポートが手厚く、国産カートならではの安心感がある。
  3. BASE / STORES
    • 対象: まずはコストをかけずにテスト販売したい店舗。
    • 理由: 固定費が安いが、集客機能や拡張性には限界がある。

「とりあえず無料のBASEで」と始めると、後でデータ移行が大変になります。本気で事業の柱にするなら、最初からShopifyかfutureshopを推奨します。

【関連コラム】 Shopify・BASE・STORES徹底比較【2026年最新】ECカートの選び方とおすすめ

ステップ③:決済方法は「Amazon Pay」が必須

自社ECの最大の離脱ポイントは「会員登録の入力」です。

モール店長は忘れがちですが、お客様は「知らない店に住所やクレカ情報を入れる」のを極端に嫌がります。

これを解決するのが「Amazon Pay」や「楽天ペイ」です。

いつものIDでログインするだけで、住所もカード情報も自動入力される。この機能があるだけで、新規客の転換率(CVR)は2倍近く変わります。導入コストをケチってはいけません。

ステップ④:サイト構築は「スマホファースト」で

PCで作業していると、ついPCのデザインにこだわってしまいます。

しかし、自社ECのアクセスの8割はスマホです。

  • 親指で押しやすいボタン配置か?
  • ページの読み込み速度は遅くないか?
  • LINE公式アカウントへの登録ボタンは目立つか?

テンプレートを選ぶ際は、必ずスマホでの操作性を最優先してください。

【関連コラム】 ECサイトのデザイン改善3つのポイント|素人でもできる売れるサイトの作り方

また、商品写真についても同様です。高価な一眼レフがなくても、今はスマホで十分きれいな写真が撮れます。「きれいさ」よりも「情報の網羅性(裏側、断面、サイズ感)」を意識しましょう。

【関連コラム】 商品写真の撮影はスマホアプリでOK!ECサイトでプロ並みに見せる無料ツール5選

ステップ⑤:法務・規約関係の整備

「特定商取引法に基づく表記」「プライバシーポリシー」は必須です。

これらは法律で決まっているだけでなく、お客様に安心感を与えるための「約束事」でもあります。

また、昨今は物流コストの上昇により「送料無料ライン」の設定がシビアになっています。

「〇〇円以上で送料無料」というルールを、利益が出るライン(例:3,980円ではなく5,500円にするなど)で慎重に設計しましょう。自社ECなら、モールのルールに縛られず自由に設定できます。

ステップ⑥:【最重要】「集客」の準備(モールを活用せよ)

ここが最大の難関です。広告費をかけずに集客するなら、「モールの発送荷物」を最大限活用しましょう。

  • 同梱チラシ: 「本店LINE登録で500円OFF」のQRコードを大きく載せる。※
  • サンクスメール: (モールの規約範囲内で)ブランド名での検索を促す。
  • SNS: モールで購入したお客様がInstagramに投稿してくれるよう、「タグ付けキャンペーン」を行う。

「モールで新規獲得」→「同梱物で本店へ誘導」→「本店でリピート」。このサイクルを作ることが、最も効率的な勝ちパターンです。
※楽天などは外部誘導について厳しい規約があります。しっかりと規約をチェックし、違反しない誘導を心がけましょう。

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ステップ⑦:テスト注文と公開

決済、メールの自動返信、配送伝票の出力。これらがスムーズに流れるか、何度もテストしてください。特に「在庫連動」は要注意です。モールと本店で在庫を共有する場合、「ネクストエンジン」や「クロスモール」などの一元管理システムの設定ミスで、売り越し(欠品販売)が起きないよう入念にチェックしましょう。

よくある質問:Q&A

Q. 自社ECの売上が立つまで、どれくらいかかりますか?

A. 広告なしなら、早くて半年〜1年です。

最初は「1日1個売れたら奇跡」だと思ってください。焦って広告費を投下するより、まずは同梱チラシからの流入で「リピーターの受け皿」として育てるのが堅実です。

Q. モールはやめるべきですか?

A. 絶対にやめないでください。

新規客を「連れてくる力」はモールが最強です。モールは「広告宣伝費」と割り切り、自社ECは「利益回収装置」と位置づける。この「ハイブリッド運営」こそが、中小ECの最強の生存戦略です。

まとめ:自社ECは「農耕」である

モールの運営が「狩猟(検索した人を捕まえる)」だとすれば、自社ECの運営は「農耕(種をまき、育てて収穫する)」です。

時間はかかりますが、育った顧客リストは、誰にも奪われないあなたの資産になります。

「Shopifyのアカウントは作ったけど、何から手をつけていいか分からない」

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