ECサイト戦略【業種別】アパレル・食品・ハンドメイドで売上を伸ばす方法

はじめに

「自社ECサイト始めたいんだけど、正直うちの商材でどう攻めていけばいいのか分からなくて…」

こういうご相談、本当に多いんです。

先週も、食品を扱ってる店舗さんから「アパレルで成功してる某ショップのインスタ戦略を真似してみたんですけど、全然ダメで…」というご相談がありました。正直言って、それはそうかもしれません。食品とアパレルでは、お客さんの購買心理も見るポイントもまったく異なります。

ECの世界では、商材が違えば戦い方もまったく変わります。アパレルで上手くいった施策を、そのまま食品に持ち込んでも…空振りに終わることが多いと思います。

この記事では、代表的な3業種(アパレル・食品・ハンドメイド)をピックアップして、それぞれの特性に合わせた戦略を解説していきます。「これ、うちでも使えそう」と思える部分を、ぜひ見つけてください。

まず押さえておきたい:どの業種でも外せない基本

業種別の話に入る前の、大切なお話。

ECサイトは実店舗と違って、お客さまが商品を直接手に取れません。だからこそ、どの業種であっても最低限クリアしておくべきポイントがあります。

魅力的な商品写真:これは言うまでもないですよね。これが大半といっても過言ではないかもしれない大切なポイントです。

また、お客さんが安心してカード情報を入力できる信頼できるデザイン。そして送料や返品ルールなどの分かりやすい情報提供。この辺の土台がガタガタだと、どんな素晴らしい戦略も意味がなくなってしまいます。

これらを押さえたら、ここからが本題です。

アパレルECは『世界観』勝負:

アパレルって、機能だけで選ばれるわけではありません。「これを着たら、どんな気分になれるか」「どんな自分を演出できるか」という感情的な部分がとても大きいジャンルです。

アパレルの強みと弱み

強み

  • ビジュアルで勝負できる(インスタとの相性抜群)
  • 流行や季節に合わせて新商品をどんどん出せる
  • ファンがついてくれれば、コーディネートで複数買いやリピートも期待できる

弱み

  • サイズ違いやイメージ違いでの返品リスクが高い
  • 競合が非常に多いので、価格競争に巻き込まれやすい
  • サイズとカラーの組み合わせがある場合、在庫管理が大変になりやすい

どう攻めるか:

Instagramをファッション誌のように使う

単に商品写真を並べるだけじゃダメ。さまざまな身長・体型のモデルさんに着てもらって、「このコーデで週末カフェ行きたい」みたいなシチュエーションを想像させるんです。リール動画で着回しを見せるのも効果的。

ここで大事なのは、お客さんの「憧れ」を刺激しつつ、「自分だったら?」をイメージさせること。

以前支援したアパレルブランドでは、スタッフさん全員(身長150cm〜171cmまで)の着用写真を載せたら、返品率が18%から9%まで下がりました。お客さまって、自分と似た体型の人の写真を本当に求めてるんですよね。

サイズ不安は徹底的に潰す

こちらも本当に重要です。商品ページに平置き寸法だけ載せても、お客さんはピンと来ません。

「身長155cmのスタッフがSサイズ着用→ちょうど良かったです」「168cmの私がMサイズを着たら、袖が少し短めでした」みたいな、具体的な着用レビューを必ず入れましょう。

ライブコマースの話

Instagramのライブ機能とか使って、リアルタイムで質問に答えながら商品紹介する。生地の質感とか、動いた時のシルエットとか、静止画では伝わりにくい部分をバシッと見せられます。

すべての店舗さんがライブ配信をすべきとは言いません。が、そういうのが得意なスタッフがいたらぜひトライしてみてください。

食品ECは『信頼』が命

食品をECで販売する場合、味も香りも伝わらないという致命的なハンデがあります。だからこそ、「この店なら安心」って思ってもらうことが何よりも大切です。

食品の強みと弱み

強み

  • リピートや定期購入に繋がりやすい(消耗品だから)
  • ギフト需要もある
  • 生産者のストーリーなどを伝えやすい

弱み

  • 味が伝わらないこと
  • 鮮度や賞味期限の管理、クール便などの配送手配も必要
  • 食の安全に対する要求も厳しい

食品ECの戦い方

シズル感のある写真・動画は必須

湯気、ツヤ、みずみずしさ。「うわ、美味しそう!」と思わせる瞬間を切り取った写真や動画は絶対に外せません。調理シーンや食卓に並んだ様子など、お客さんに「食べているシーン」を想像させるのがコツです。

作り手の顔を見せる

「私たちが作ってます」という生産者の顔写真、農場や工場の様子、素材へのこだわり…こういうのを「私たちについて」ページとかブログでガンガン出していきましょう。

生産者ストーリーをしっかり語っているお店は、価格競争に巻き込まれにくいんです。「この人から買いたい」って思ってもらえるブランディングになるのです。

以前にお手伝いをした有機野菜のショップで、畑の様子を毎週インスタに投稿していたら、お客さんから「畑の〇〇さん元気ですか?」みたいなコメントが来るようになって。もう完全にファン化していました。

リピート施策について

メルマガやLINEで「そろそろ新じゃがの季節ですよ」とか「旬の〇〇を使ったレシピ紹介」みたいな情報を定期的に送るのも効果的。一度買ってくれたお客さんに「また食べたいな」と思い出してもらうきっかけを作ります。

(※メルマガとLINEの使い分け、配信頻度の話は長くなるのでここでは割愛しますね。基本的にはLINEの方が開封率高いです)

ハンドメイドは『物語』と『コミュニティ』

ハンドメイド作品の魅力って、一つひとつが唯一無二なこと。その特別感と、作品に込められた作り手の想いが最大の武器になります。

ハンドメイドの強みと弱み

強み

  • 基本的に一点物だから価格競争が起きにくい
  • 作り手のファンがつきやすい
  • 熱狂的なコミュニティが生まれることもある

弱み

  • 大量生産できないので売上のスケールには限界がある
  • 作り手のスキルやセンスに依存してしまう
  • 「趣味の延長でしょ?」と軽く見られて、価値が伝わりにくいケースもある。

ハンドメイドで成功するには

制作過程を見せる

Instagramやブログで、作品が生まれるまでのプロセスや、デザインのインスピレーション源を発信していく。お客さんは完成品だけじゃなくて、その背景にある物語にも価値を感じるんです。

「今日はこの素材で試作してみました」「このデザイン、実は〇〇からインスピレーションを得て…」みたいな投稿が、お客さんを「ファン」に変えていきます。

以前、作家さんのブランディングを少しだけ支援したことがあります。制作過程を定期的にストーリーズで流すようにしたら、「次の作品いつ出ますか?」って問い合わせが来るようになったんです。もう完全に「待ってる人」がいる状態です。

コミュニケーションを大切に

これは本当に大切です。お客さんからのコメントや質問には、一つひとつ丁寧に、作り手自身の言葉で返信する。この積み重ねが、「この作家さんを応援したい」っていう気持ちを育てるんです。

希少性の演出

オーダーメイドや限定販売で希少性を出すのも効果的です。「毎月1日だけ、限定5個のオーダー受付」みたいな形にすると、作品の価値がグッと上がります。販売開始時刻に殺到する、みたいな熱狂的な状況を作れたら大成功です。

結局、自分の商材に合った戦い方を見つけることが全て

ここまで3つの業種を見てきましたけど、まとめるとこんな感じです。

業種キーワード使うべきプラットフォーム戦略の核
アパレル世界観・憧れInstagramビジュアル訴求、サイズ不安の払拭
食品シズル感・安心自社サイト・ブログストーリー訴求、信頼構築
ハンドメイド希少性・物語Instagram / Xコミュニティ形成、価値の言語化

業種が違えば、戦い方も全く変わってきます。

大事なのは、あなたの商材の特性をきちんと理解して、それに合った「正しい戦い方」を選ぶこと。他の業種で上手くいってる手法を、そのまま真似しても上手くいかないことが多いんです。

焦らず自分の商材に合った方法を、一つずつ試していきましょう。


私たちSBマーケティングデザインは、あなたの商材と目指すゴールを理解した上で、「今、本当にやるべきこと」を一緒に見つけるお手伝いをしています。

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