はじめに
「こだわりの自社ECサイトが、ついに完成した!」
で、いざ公開してみたら誰も来ない……。
この現実、とてもつらいですよね。私たちのところに相談に来る方の多くが、この「開店休業状態」で悩んでいます。
先月も、素敵なハンドメイドアクセサリーのショップを立ち上げた方が「3週間経ったのに、購入者ゼロなんです…」って落ち込んでいらっしゃって。そのお気持ち、すごく分かります。
ECモールから自社ECサイトへ挑戦すると、多くの人がこの壁にぶつかります。それもそのはずで、モールの喧騒から離れたあなたの新しいお店は、まだ誰にも知られていない「人通りのない路地にポツンと佇むお店」みたいなものなのです。
でも、悲観する必要は全くありません。広告費を1円も使わずに、あなたの情熱と少しの工夫で「最初の100人」のお客様を呼び込むことは十分に可能です。
この記事では、私たちがゼロからスタートするEC事業者さんを支援してきた経験に基づいて、広告費ゼロで最初の100人を集める実践的なロードマップを「3つのフェーズ」に分けて紹介していきます。
なぜECサイト立ち上げ初期は「広告費ゼロ」を目指すべきなのか
「広告打てばすぐ集客できるんじゃないの?」
そう思いますよね。でも、特に立ち上げ初期のECサイトにとって、広告費って大きな負担になるし、費用対効果が見合わないケースも少なくありません。
広告費ゼロでの集客を目指すべき理由は3つあります。
コスト削減と利益確保:
広告費をかけないことで初期投資を抑えて、ECサイトの利益率を高く保てる。
ブランドの信頼性向上:
広告に頼らず、コンテンツや口コミで集客することで、お客さんからの信頼や共感を獲得しやすくなる。
持続可能な集客基盤の構築:
広告は止めれば集客も止まりますが、広告費ゼロで築いた集客基盤は長期的に安定した顧客流入に繋がる「資産」になります。
ちょっと待って:お客様を迎える準備はできてますか?
ロードマップを実行する前に、あなたのECサイトがお客様を迎える準備ができているか確認しましょう。サイトが怪しければ、せっかく訪れてくれても誰も買ってくれません。正直、これで損をしているお店がとっても多いです。
最低限チェックすべきポイント:
- 「私たちについて」ページはありますか?:あなたの想いやストーリーを伝えましょう(関連記事:ECサイト『私たちについて』ページの書き方|共感を呼ぶブランドストーリーの秘訣)
- 「特定商取引法に基づく表記」はありますか?:法律で義務付けられてます
- 商品写真は綺麗ですか?送料は分かりやすいですか?:お客様の不安を徹底的に取り除く
- サイトデザインは整っていますか?:プロフェッショナルな印象は信頼に繋がります(関連記事:ECサイトのデザイン改善3つのポイント|素人でもできる売れるサイトの作り方)
準備ができたら、いよいよスタートです。
【フェーズ1】最初の1〜10人:確実な一歩を踏み出す
このフェーズの真の目的は「サイトの最終テスト」と「最初のレビュー獲得」です。
具体的なアクション
身近な「応援団」に協力依頼:
もし可能であれば、友人や家族にお願いして、サイトの動作確認やフィードバックを兼ねて購入してもらうのが最も確実なスタートです。
「友達に買ってもらうなんて…」って思うかもしれませんが、全然恥ずかしいことではありません。むしろ賢いやり方です。
以前支援した雑貨店の店長さんが「友人10人に協力してもらったら、決済フローのバグが3つも見つかった」と仰っていました。お客さまに迷惑をかけてしまう前に気づけて良かったですよね。
お客様目線でのテスト購入:
自分自身でテスト購入を行って、お客様目線での使い勝手(決済フロー、メールの自動送信、梱包状態など)を徹底的に確認します。
最初のレビューを獲得:
購入者から率直な感想やレビューを依頼しましょう。実際の購入者からのレビューは、今後の集客において非常に強力な「社会的証明」になります。
【フェーズ2】11人〜50人:「GIVE」の精神で未来のお客様を惹きつける
ここからが本番です。
あなたのことを知らない人に、お店の存在を知ってもらうための「仕掛け」を作ります。キーポイントは「先に与える(GIVE)」こと。
具体的なアクション
「モニター企画」「プレゼントキャンペーン」を実施する:
InstagramやX(旧Twitter)で、「新商品の〇〇を使って、感想をSNSに投稿してくれるモニター様を3名募集します!」みたいな企画を立ち上げます。
応募条件を「フォロー&この投稿にコメント」などに設定することで、あなたのアカウントの認知度が高まります。
効果: 当選者は無料で商品を体験できる代わりに、熱量の高いレビューをSNSに投稿してくれる。その投稿が、あなたの代わりに商品の魅力を伝えてくれる「広告塔」の役割を果たしてくれるんです。
これは広告費を払うのではなく、商品そのものを広告費として投資するという考え方ですね。
以前にコスメブランドさんを支援した時、モニター企画で5名募集したら47件の応募がありました。当選者の投稿は合計で8,000回以上表示されました。商品原価で考えたら15,000円くらいの投資で、これだけのリーチが取れたのです。
余談:ハッシュタグの話
ハッシュタグを徹底的に研究し、活用する
たとえば雑貨について投稿する場合、ただ「#雑貨」と投稿するだけでは無数の投稿に埋もれてしまいます。「#韓国インテリア雑貨」「#北欧風暮らしの道具」「#手仕事のある暮らし」のように、より具体的で、ターゲットが使いそうなハッシュタグを10〜15個ほど組み合わせて投稿しましょう。他の人気アカウントがどんなハッシュタグを使っているか、常に研究することが大切です。
(※ハッシュタグの選び方については、正直これだけで1記事書けるくらい奥が深いのですが、ここでは割愛しますね。基本は「競合のアカウントを徹底的に分析する」です)
【フェーズ3】51人〜100人:能動的に「見つけてもらう」機会を創出する
フェーズ2で生まれた小さな火を、さらに大きな流れに変えていきます。
待ちの姿勢ではなく、こちらから積極的にアプローチを仕掛けます。
具体的なアクション
Instagramで「お役立ち情報」の発信を強化する
商品の紹介だけじゃなくて、「このアカウントをフォローしておくと、生活がちょっと豊かになる」と思ってもらえるコンテンツを発信します。
例えば食器店の場合:
- 「料理が映える食器の選び方」
- 「ワンプレートごはんの盛り付けテクニック」
- 「食器の正しいお手入れ方法」
こうした投稿は「いいね」だけではなく「保存」されやすく、後から何度も見返してもらえるんです。これがあなたのアカウントへの信頼と愛着(エンゲージメント)を高めて、アルゴリズム的にも有利に働きます。
ここからは少し勇気がいる話
ミニプレスリリースを送ってみる
あなたのショップや商品と親和性の高い、小規模なWebメディアや個人のブロガー、インフルエンサーに、丁寧なメールやDMで「商品提供(ギフティング)のお知らせ」を送るんです。
大手メディアや有名人である必要は全くありません。フォロワーが1,000人〜5,000人規模でも、熱心なファンがついている人の方が効果が高い場合も多いです。
「迷惑じゃないかな」「無視されたらどうしよう」って躊躇しますよね。でも100件送って1件でも紹介してもらえれば大成功。第三者からの客観的な紹介は、あなたが自分で宣伝するよりも何倍も信頼性が高いのです。
【コピペOK】メール/DMテンプレート例
件名:【〇〇(あなたの店名)】新商品のご紹介と、商品提供(ギフティング)のお願い
〇〇様
はじめまして。ECサイト「〇〇」を運営しております、[あなたの名前]と申します。
〇〇様の[ブログ名やSNSアカウント名]をいつも楽しく拝見しており、[具体的な感想や共感した点]に、大変感銘を受けております。
この度、私どもは[商品のコンセプト]をテーマにした新商品「△△」を発売いたしました。
[商品の簡単な説明と、〇〇様の活動と親和性が高いと考える理由]。
もし、〇〇様にご興味をお持ちいただけそうでしたら、ぜひこちらの「△△」をお送りさせていただけないでしょうか。
もちろん、ご投稿の義務などは一切ございません。ただ、純粋に〇〇様にお試しいただけたら、これほど嬉しいことはございません。
ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
[あなたの店名]
[あなたの名前]
[ECサイトのURL]
このテンプレートはあくまで参考です。大事なのは「なぜその人に送るのか」を明確にして、テンプレ感を出さないことです。
よくある質問に答えます
Q1. 広告費ゼロでの集客は、どのくらいの期間で効果が出ますか?
早ければ1〜2ヶ月で最初の反応が出始めますが、安定した集客に繋がるには最低でも3〜6ヶ月は継続的な発信が必要です。正直、即効性は広告のほうがありますが、広告費ゼロで築いた基盤は本当に強いです。
Q2. SNSのフォロワーがゼロでも効果はありますか?
はい、問題ありません。
このロードマップは、フォロワーがゼロの状態から始めることを前提にしてます。「モニター企画」や「お役立ち情報の発信」を通じて、最初のフォロワーを獲得していくことが目的になります。
Q3. 本当に100人集客できますか?
はい、可能です。
重要なのは、一つひとつのアクションを丁寧に行って、お客様とのコミュニケーションを楽しむこと。100人という数字は、その結果として自然とついてきます。
これは好みが分かれるところですが、「100人」という目標にこだわりすぎない方がいいと思います。大事なのは数字ではなく、その100人がどれだけあなたのショップのファンになってくれるか、です。
まとめ:100人達成は、ゴールじゃなくてスタートライン
このロードマップを着実に実行すれば、広告費ゼロでも「最初の100人」は必ず達成できます。
そして、このプロセスで得られるお客様からのフィードバックや、SNSでのエンゲージメントは、広告費では決して得られない、あなたの事業の血肉になります。
100人のお客様を迎えた時、あなたのECサイトはもはや「開店休業状態」ではありません。そこには、お客様の声が反映されて、ファンとの交流が生まれた、活気ある「お店」が育っているはず。
一つひとつ、丁寧にあせらず実行することが大切です。
私たちSBマーケティングデザインは、このロードマップをあなたのECサイトの状況や商品に合わせてカスタマイズし、その実行を力強くサポートする専門家です。
「自分一人でやり切れるか不安…」 「うちの商品の場合、どんな情報発信が効果的だろう?」
そんな時は、一人で悩まず、ぜひ私たちに相談してください。最初の100人、そしてその先の1,000人へと続く道を、一緒に切り拓いていきましょう。
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