「今月は月商1,000万超えた!過去最高だ!」
と喜んだのも束の間、月末に請求書を払ったら通帳にお金が残っていない…。
これはECあるあるではなく、明確な「経営の病」です。
私は15年間、ECの現場でこの病と戦ってきました。そして断言できるのは、「売上規模を追うことと、手元にお金を残すことは、全く別の競技である」ということです。
多くの店長は「もっと売れば利益が出る」と信じて広告を増やし、安売りをします。しかし、それは逆です。「売る数を減らしてでも、1個あたりの利益を守る」覚悟がない限り、永遠にラットレースは終わりません。
本記事では、机上の空論ではない、私が現場で実行して実際に粗利率を改善した「5つの泥臭い利益確保術」を公開します。
1. 売上は「麻薬」、利益こそ「栄養」
まず、思考のOSを入れ替えてください。
- 売上(年商): 他人に自慢するための数字(見栄)
- 利益(キャッシュ): 明日会社を存続させるための燃料(現実)
楽天市場やYahoo!ショッピングのランキングは「売上高」や「件数」で決まるため、どうしても我々はそこに引っ張られます。しかし、ランキング1位で赤字の店より、ランキング圏外でも利益率30%の店の方が、経営としては遥かに優秀で健全です。
ここからは、ランキングを無視してでも利益を取りに行く具体的な戦術です。
2. 明日からできる「利益体質」への転換戦術
戦略1:「エース」ではなく「名脇役」をえこひいきする
多くの店は、売上No.1の商品(エース)に広告費の大半をかけます。しかし、型番商品のエース(本体など)は競合も多く、粗利が10%〜15%程度に削られていることが多いはずです。
- 現場の戦術:
RMSで「売上は月数個〜10個程度だが、粗利率が25%〜30%(あるいは自店の平均より高い)商品」を探してください。
家電なら「フィルター」や「専用ケーブル」、雑貨なら「詰め替え用」などが該当します。これこそが、あなたの店の本当の救世主(隠れ高利益商品)です。
この商品のサムネイル画像をプロに依頼して作り直し、トップページの目立つ場所にバナーを貼ってください。
薄利なエース商品で集客し、この高利益な脇役商品をついで買いさせる。この導線を作るだけで、最終的な手残り額は跳ね上がります。
戦略2:100円の値上げを「言い訳」で正当化する
「値上げしたら売れなくなる」という恐怖は捨ててください。お客様が怒るのは「理由のない値上げ」だけです。
- 現場の戦術:
単に価格を書き換えるのではなく、商品ページに「値上げの正当な理由(付加価値)」を追記します。- 例: 「検品体制を強化し、二重チェック済みでお届けします」
- 例: 「梱包材をリニューアルし、ギフトとしても使える品質にしました」
- 「だから100円高くなりました」と堂々と宣言すれば、お客様は「それなら安心だ」と納得してくれます。実際に私はこの方法で、転換率を落とさずに平均単価を15%アップさせました。
戦略3:大手と戦わない「ズラし」の検索対策
「スニーカー メンズ」のようなビッグワードは、ABCマートやAmazonに任せておきましょう。そこで戦うと広告費で死にます。
- 現場の戦術:
商品名やSEO対策を、大手が狙わない「悩み特化キーワード」に書き換えます。- × 一般的: 「ランニングシューズ 厚底 クッション」
- ○ ニッチ: 「膝が痛くならない ランニングシューズ 4E 幅広」
- 検索数は減りますが、そのキーワードで来る客は「悩み」が深いので、価格比較をせずに買ってくれます。
戦略4:ハイエナ戦法(競合の在庫切れを待つ)
これは少し性格が悪いですが、最も確実に利益が出る方法です。特に型番商品や季節家電で有効です。
- 現場の戦術:
12月などの繁忙期、あえて最安値競争には参加しません。競合店を毎日チェックし、「最安値店が売り切れた瞬間」を待ちます。
彼らの在庫が尽きた瞬間、あなたは定価(あるいは少し高めの価格)で販売を開始し、商品名に【在庫あり・即納】とつけます。
この時のお客様は「値段」ではなく「納期」を買っているので、高くても飛ぶように売れます。
戦略5:手間のかかる「面倒な商品」こそ宝
大手は効率を重視するため、「問い合わせが多い商品」や「説明が難しい商品」を嫌います。ここに中小店舗の勝機があります。
- 現場の戦術:
例えば「取り付けにコツがいる部品」や「肌質による相性が難しい化粧品」など。
これらを扱い、「購入前のLINE相談OK」「取り付け動画マニュアル付き」という付加価値をつけます。
「面倒くさいこと」を代行してあげる対価として、高い利益率を確保するのです。
まとめ:売上規模という「呪い」を解こう
15年前、私が初めて「月商1,000万」を超えた時、手元には借金しか残りませんでした。
逆に、月商を500万に落とし、利益率重視に切り替えた翌年、初めてボーナスが出せました。
EC運営において、「売上」はプライドですが、「利益」は生死です。
今日から、管理画面の「売上ランキング」を見る時間を減らし、「粗利管理表」を見る時間を増やしてください。
その地味な習慣の変更こそが、あなたの店を「潰れない店」に変える唯一の方法です。
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