「売れない」を「売れる」に変える!商品タイプ別EC戦略の教科書【楽天市場・ヤフーショッピングで必勝】

はじめに

EC運営者の皆さん、こんにちは。

「毎日一生懸命に商品ページを更新しているのに、なぜか売上が伸びない…」「広告費をかけても、なかなか新規顧客が増えない…」

もし、あなたがそんな悩みを抱えているなら、少し立ち止まって考えてみませんか?もしかしたら、その原因は「売る商品」と「売り方」がズレてしまっていることにあるのかもしれません。

楽天市場やヤフーショッピングには、日々、数えきれないほどの新しい商品が並びます。その中で、ただ漠然と商品を並べているだけでは、ライバルに埋もれてしまうのは当然のこと。成功している店舗は、それぞれの商品が持つ「個性」を深く理解し、その個性に合わせた「戦い方」を選んでいるのです。

今回は、あなたのネットショップにある商品を3つのタイプに分類し、それぞれのタイプに合わせた、実践的な売上アップ戦略をお伝えします。このコラムを読み終える頃には、あなたの目の前にある商品たちが、全く違った輝きを放っているはずです。


第1章:まずは商品を3つのタイプに分類する

すべての商品を同じやり方で売ろうとするのは、無駄な努力になりがちです。まずは、あなたの店舗の主要な商品を、以下の3つのカテゴリーに分けてみましょう。

  1. コモディティ商品(一般的な商品)
    • 誰もが知っている定番品や、多くの店舗が取り扱っている商品です。
    • 例:有名メーカーの食品、日用品、家電、人気ブランドのアパレルなど。
    • 特徴: 顧客は商品名を直接検索することが多く、価格や送料、ポイント還元率などで比較されやすい。
  2. こだわり商品(ニッチな商品)
    • 特定の趣味を持つ人や、明確な課題を持つ人に深く刺さる商品です。
    • 例:特定の産地・製法にこだわった調味料、特定の犬種に合わせたドッグフード、特別な機能を持つ工具など。
    • 特徴: 顧客は商品名ではなく「悩み」や「興味」を検索することが多く、知る人ぞ知る存在になりやすい。
  3. ひらめき商品(斬新な商品)
    • 市場にまだ存在しない、あるいはほとんど知られていない、新しい発想から生まれた商品です。
    • 例:画期的な便利グッズ、まだ世に出ていない地方の特産品、新しいコンセプトのアート作品など。
    • 特徴: 顧客は存在自体を知らないため、キーワード検索されにくい。まずはその「存在意義」や「魅力」を伝える必要があります。

さあ、あなたの主力商品はどのタイプに当てはまるでしょうか?次に、それぞれのタイプに合わせた具体的な戦略を見ていきましょう。


第2章:商品タイプ別のEC戦略実践ガイド

【コモディティ商品】の売り方:「価値」を磨き、選ばれる理由を明確にする

コモディティ商品を取り扱っている店舗の多くは、価格競争に巻き込まれがちです。しかし、価格だけが勝負ではありません。顧客が「わざわざあなたの店から買いたい」と思う理由をどれだけ提供できるかが鍵となります。

実践ポイント:

  • 「商品ページ」で価値を語る: 商品自体のスペックは他の店舗も同じ。だからこそ、あなたの店舗独自の「付加価値」を前面に出しましょう。
    • 例1: 誰もが知る有名ブランドのお菓子。ただ商品を並べるだけでなく、「当店限定のギフト包装」「メッセージカード無料サービス」「丁寧な梱包で届けます」といったサービスを写真付きでアピールします。
    • 例2: 一般的なタオル。単なる商品写真だけでなく、「なぜそのタオルを売っているのか」「作り手の想い」「ふわふわを保つ洗い方ガイド」など、商品の背景にあるストーリーを語ることで、単なる「日用品」から「暮らしを豊かにするアイテム」へと昇華させます。
  • 「サービスの質」で差別化する: 発送の速さ、丁寧な問い合わせ対応、購入後のサポートなど、顧客が安心できるサービスは大きな差別化になります。これらの取り組みを「店舗レビュー」で可視化できるよう、お客様にレビューを書いてもらう工夫も重要です。
  • 「固定客化」を狙う: リピーター向けのお得なクーポンや、会員限定のセール、新商品のお知らせなどを積極的に行い、一度の購入で終わらせない仕組みを作りましょう。コモディティ商品は、「店舗のファン」を増やすことで、安定した売上基盤を築くことができます。

【こだわり商品】の売り方:「出会い」を設計し、顧客に寄り添う

こだわり商品は、特定の顧客に深く刺さるポテンシャルを秘めています。しかし、その顧客があなたの店に辿り着かなければ、売上には繋がりません。重要なのは、顧客が「この商品が欲しい」と思う瞬間に、いかにして接触するかを考えることです。

実践ポイント:

  • 「顧客像」を徹底的に深掘りする:
    • あなたのこだわり商品は、どんな人が、どんな時に、どんな目的で使いますか?年齢、性別、ライフスタイル、趣味、悩みなどを具体的にイメージしてみましょう。
    • 例1: 産地にこだわったオーガニック野菜。顧客像は「健康志向の30〜40代女性」「子育て中で、子どもの食の安全に気を遣っている」「忙しいけど料理は楽しみたい」。
    • 例2: DIY好き向けの特殊な工具。顧客像は「日曜大工が趣味の50〜60代男性」「なかなか見つからない工具を探している」「道具にこだわりがあり、品質を重視する」。
  • 「キーワード戦略」で出会いを創出する: 顧客像が明確になったら、彼らが検索しそうなキーワードを網羅しましょう。
    • 例1: オーガニック野菜の顧客は「オーガニック野菜」「離乳食 食材 安全」「無農薬野菜 定期便」といった言葉で検索するかもしれません。
    • 例2: DIY工具の顧客は「木工 工具 プロ」「特殊ドライバー セット」など、より専門的な言葉を使うはずです。
    • これらのキーワードを商品名、説明文、キャッチコピーに盛り込むことで、顧客との「最適な出会いの場」を作り出すことができます。
  • 「コンテンツ」で共感を生む: ブログやSNSで、商品の使い方やお客様の声、作り手の想いを発信しましょう。こだわり商品を求める顧客は、その背景にあるストーリーや哲学に共感する傾向が強いからです。

【ひらめき商品】の売り方:「用途」を伝え、新しい文化を創る

ひらめき商品は、その存在自体が新鮮なため、顧客は「検索」することができません。このタイプの成功には、商品が解決する「問題」や、もたらす「喜び」を明確に伝え、新たな需要を創造することが不可欠です。

実践ポイント:

  • 「用途」を具体的に提示する:
    • 「凍らない食品貯蔵庫」として売れた冷蔵庫の事例が良い例です。商品をそのまま紹介するのではなく、「こんな困り事を解決できます」「こんな素敵な体験ができます」という「新しい用途」を提案することで、顧客の興味を引きます。
    • 例1: 便利な多機能キッチングッズ。商品名を「野菜カッター」とするのではなく、「忙しい朝の時間を10分短縮!あっという間にプロ級のサラダが作れる魔法のグッズ」のように、「ベネフィット(得られる利益)」を前面に出しましょう。
    • 例2: 新しいタイプの掃除道具。ただ「掃除が楽になる」と伝えるのではなく、「お子さんがいるご家庭の食べこぼし掃除に」「ペットの抜け毛が気になる方へ」など、具体的なシーンを写真や動画で伝えることが効果的です。
  • 「ビジュアル」と「ストーリー」で魅了する:
    • ひらめき商品は、言葉だけでは伝わりにくいことが多いため、魅力的な写真や動画が何よりも雄弁に語ってくれます。実際に使用している様子を動画で見せたり、before/afterの写真を掲載したりすることで、顧客は商品の価値を直感的に理解できます。
    • 「この商品が生まれたきっかけ」「開発者の熱い想い」など、ストーリーを語ることで、単なる「物」ではなく、共感できる「物語」として商品が記憶に残ります。

第3章:戦略の取捨選択こそが成功への近道

ここまで3つの商品タイプとその戦略について見てきましたが、すべてを同時に実行しようとする必要はありません。むしろ、あれもこれもと手を広げすぎると、一つ一つの施策が中途半端になり、結果が出にくくなります。

「戦略とは、何をしないかを決めることである」

もし、あなたの店舗に複数のタイプの商品があるなら、まずは主力商品一つに絞って、そのタイプの戦略を徹底的に実行してみてください。

  • コモディティ商品が主力なら、まずは「商品ページの磨き込み」と「レビューの獲得」に全力を注ぐ。
  • こだわり商品が主力なら、「キーワード分析」と「ターゲット層に向けたSNS発信」に集中する。

このように、優先順位を明確にし、一つの施策で確かな手応えを感じてから、次のステップに進むことが、遠回りに見えて実は最も早い成功への道なのです。


まとめ:あなたの店舗に眠る「宝物」を見つけ出す

いかがでしたでしょうか。

商品の種類によって、勝つための戦略は全く異なります。あなたの店舗に並んでいる商品たちを改めて見直し、それがどんな個性を持っているのか、どんな顧客に届けたいのか、もう一度じっくりと向き合ってみてください。

そこには、まだあなたが気づいていない「売れる」ためのヒントが隠されているかもしれません。

今回ご紹介した3つの戦略が、あなたのEC店舗が次のステージへと進むための羅針盤となることを願っています。小さな一歩でも、確実に前に進んでいきましょう。

Illustration by Storyset

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