データは語る!楽天市場・ヤフーショッピングで顧客の「なぜ?」を解き明かし、売上を最大化する分析術

はじめに

「商品画像もきれいだし、価格も安くした。なのに、なぜあの『ダサい店』の方が売れているんだ?」

EC運営をしていると、こんな理不尽な思いをすることは一度や二度ではありません。

私は15年以上、ECサイトの運営現場に立ち続けていますが、駆け出しの頃はこの疑問に毎日のように苦しめられていました。「きっと広告費を大量に使っているんだろう」と自分を慰めていましたが、それは間違いでした。

売れている店と売れていない店の決定的な差。それは、センスでも資金力でもありません。

「お客様が『何と言って』『どこから来て』『なぜ買ったのか』を知っているか」という、情報の解像度の差です。

「データ分析」と聞くと、難しいエクセルの計算を想像するかもしれません。しかし、現場で必要なのはそんな高尚なものではありません。

お客様の行動を「カンニング」し、後出しジャンケンで勝つための泥臭い確認作業です。

本記事では、私が現場で実際に使っている、楽天市場(RMS)とYahoo!ショッピング(ストアクリエイターPro)の無料ツールを使った「勝つためのカンニング術」を公開します。


第1章:勘と経験に頼った私が犯した「大失敗」

なぜデータが必要なのか。私の恥ずかしい失敗談をお話しします。

かつて私は、30代男性向けの「本革のスマホケース」を販売していました。私は自分の感覚で、「ビジネスマンが使うから、高級感のある『黒』と『ネイビー』が売れるはずだ」と信じ込み、その2色の在庫を大量に積み、広告も男性向け雑誌のようなクールなデザインで展開しました。

しかし、全く売れませんでした。

焦った私は、最後にRMSのデータ分析を開きました。そこで見た事実に愕然としました。

  1. 購入者の7割が「40代女性」だった(夫へのプレゼント需要)
  2. 検索ワードは「スマホケース 本革 丈夫」だった(高級感より耐久性を重視)
  3. 最もクリックされていたのは、地味な黒ではなく「キャメル(茶色)」だった

私は完全に「いない客」に向かってボールを投げていたのです。

この時、「自分の『こうあるべき』という思い込みこそが、売上を阻害する最大の敵だ」と痛感しました。

データ分析とは、この「思い込みのメガネ」を外すための唯一の手段なのです。


第2章:売上を左右する3つの「カンニング」ポイント

ここからは、明日から管理画面で見るべき3つのポイントに絞って解説します。難しい指標は一切使いません。

ポイント1:誰に売るべきか?「ペルソナ」の答え合わせ【属性分析】

商品を作った時、仕入れた時に想定したターゲットと、実際に買っている人はズレていることが多々あります。

  • 見る場所:
    • 楽天: RMS > データ分析 > アクセス・トラフィック > ユーザー属性
    • Yahoo!: ストアクリエイターPro > 分析 > 顧客分析
  • 現場での活用法:
    もし「40代女性」の購入が多いと分かったら、商品ページのモデル写真を「40代女性が使っているシーン」に差し替えてください。説明文のフォントや言い回しも、少し柔らかくします。
    これだけで、「あ、私のための商品だ」と感じてもらえる確率が劇的に上がり、転換率(CVR)が改善します。

ポイント2:お客様の「悩み」を盗み見る【検索キーワード分析】

お客様が検索窓に打ち込む言葉は、「今まさに解決したい悩み」そのものです。ここには、売上アップのヒントがそのまま書かれています。

  • 見る場所:
    • 楽天: RMS > データ分析 > アクセス・トラフィック > 参照元・検索キーワード
    • Yahoo!: ストアクリエイターPro > 分析 > 検索流入
  • 現場での活用法:
    例えば、「キャンプ フライパン」で売っている商品に、「キャンプ 朝食 簡単」というキーワードで流入があったとします。
    これは、「キャンプの朝ごはんは面倒だから簡単に済ませたい」というニーズがある証拠です。
    ならば、商品名や画像に「朝食づくりが5分で終わる!」というコピーを追加すれば、その層の心を鷲掴みにできます。
    お客様が使っている言葉を、そのまま商品ページに返す。 これが最強の接客です。

ポイント3:その商品は「愛されている」か?【リピート分析】

新規客を集めるのはコストがかかります。利益を出す鍵はリピーターです。

  • 見る場所:
    • 楽天: RMS > データ分析 > 売上分析 > リピート分析
    • Yahoo!: ストアクリエイターPro > 分析 > リピーター分析
  • 現場での活用法:
    リピート率が高い商品は、お客様が「満足した」という証拠です。
    この商品を買った人には、積極的にメルマガやLINEで「新商品のご案内」や「レビューのお願い」を送りましょう。関係性ができているので、反応率が段違いに良いはずです。
    逆に、リピート率が極端に低い消耗品があれば、品質や使い勝手に問題がある可能性があります。レビューを精査し、改善のメスを入れましょう。

第3章:分析を「行動」に変える3つのステップ

データを見て「ふーん、なるほど」で終わっては、1円にもなりません。分析はアクションとセットです。

  1. 「仮説」を立てる(妄想する)
    データを見ながら、「なぜこのキーワードが増えたんだろう?」「もしかしてテレビで紹介された?」と妄想してください。正解でなくても構いません。
  2. 「小さな実験」をする
    仮説に基づき、商品名を少し変えてみる、サムネイル画像の文字色を変えてみる。お金をかけずにできる修正を行います。
  3. 「答え合わせ」をする
    1週間後、もう一度データを見ます。アクセスが増えたか、CVRが上がったか。
    上がっていれば継続、下がっていれば元に戻す。この繰り返しの数だけ、店舗は強くなります。

まとめ:データは「未来の売上」を教えてくれる

「なぜ売れないのか」と悩んでPCの前で腕を組んでいても、答えは出てきません。

答えを持っているのは、あなたではなく「お客様(データ)」だけです。

15年間、ECの現場で戦ってきましたが、成功する店舗は例外なく「データを見る習慣」を持っています。朝のコーヒーを飲むついでに、RMSのランキングや検索キーワードを眺める。たったそれだけの習慣が、半年後、1年後の大きな利益の差となって返ってきます。

まずは今日、一番売れている商品の「検索キーワード」を見てみてください。きっと、「えっ、こんな言葉で探されていたの?」という驚きの発見があるはずです。

その発見こそが、あなたの店舗が次のステージへ進むための第一歩です。

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Illustration by Storyset

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