楽天市場SEOを本気で攻略!検索順位と売上を同時に伸ばす実践テクニック集

目次

この記事を読めば、以下が分かります

  • 楽天の検索順位が決まる評価ロジックの全体像
  • 優先的に手を入れるべきSEO対策のポイント
  • 2025年7月に導入されたパーソナライズド検索への対応
  • 広告とSEOを連動させる戦略的な考え方
  • 毎月のSEO改善を習慣化させるPDCA設計

楽天市場におけるSEO(検索エンジン最適化)は、ただ商品名にキーワードを詰め込むだけでは不十分です。楽天独自のアルゴリズムを理解し、ユーザー行動や販売実績と連動した施策を行うことが、検索順位と売上を同時に伸ばす鍵となります。

「広告に頼らず、自然検索からの流入で売上を伸ばしたい」「検索順位が上がらず、良い商品なのに埋もれてしまう」――そんな悩みを持つ店舗運営者のために、本記事では15年のEC運営経験に基づいた、楽天SEOの基礎から最新動向まで体系的に解説していきます。

※本記事に掲載している事例は、クライアントの特定を防ぐため、一部の数値や条件などを変更しております。


楽天市場SEOとは?検索順位が決まる評価ロジックを理解する

楽天市場のSEOを語る上で、最初に押さえておくべきは「Google検索のSEOとは全く異なる」という点です。楽天は独立したプラットフォームであり、独自の検索エンジンを持っています。楽天市場内で商品を見つけてもらうには、その独自ロジックを正確に理解する必要があります。

楽天の検索結果で見られている主な評価軸

楽天公式が2024年10月に発表した情報によると、検索順位を決定する基本的な評価軸は大きく以下の4つに分類されます。

評価軸具体的な要素重要度
商品情報の質商品名、キャッチコピー、説明文、画像、属性情報★★★★★
販売実績売上件数、売上金額、レビュー件数、平均評価★★★★★
ユーザー行動CTR(クリック率)、CVR(転換率)、滞在時間★★★★☆
配送と信頼性在庫状況、出荷スピード、ショップ評価、「最強翌日配送」ラベル★★★☆☆

キーワードだけではない「売れる商品がより売れる」仕組み

ここが多くの出店者が見落としやすいポイントです。楽天のサーチアルゴリズムは、「検索ワードとの関連性」だけでなく「どれだけ売れそうか」「実際に売れているか」という実績ベースの要素を重視する設計になっています。つまり、「売れる商品がより売れやすくなる仕組み」が組み込まれているのです。

⚠️ 注意点:良い商品だけでは不十分

品質が高い商品でも、初期段階で売上実績がなければ、検索順位は上がりにくいという矛盾が生じます。これが多くの新商品が埋もれる理由です。これを解決するために、後半で触れる「広告との連動戦略」が重要になります。

さらに、直近の販売動向やキャンペーン中の実績の伸びなども検索順位に影響することが知られており、一過性の爆発力と中長期的な改善の積み重ねが両方求められます。つまり、SEO対策は「仕込んで終わり」ではなく、常に調整と改善を繰り返すプロセスなのです。


楽天市場で必須のSEO対策5つの柱

それでは、実際に検索順位を上げるために、何から手を付ければいいか。15年のEC運営を通じて、効果が実証された5つの施策をお伝えします。

①商品名最適化で検索意図とマッチさせる

商品名は、楽天SEOの中心的な要素です。スマホで閲覧するユーザーが多い現在、冒頭20文字程度がファーストインプレッションとして重要視されます。

ただし、キーワードを羅列するだけでは駄目です。ユーザーの検索意図に沿ったタイトル構成を意識する必要があります。主キーワードは必ず冒頭に配置し、補足要素はその後に配置するというルールを守りましょう。

商品名最適化の構成例

NG例:「秋冬 春 ステンカラー コート メンズ レディース 撥水 」

OK例:「撥水加工 ステンカラーコート メンズ 春秋 通勤 ビジネス対応 大きいサイズ」

ポイント:主キーワード「撥水加工 ステンカラーコート メンズ」を冒頭に、

その後にユースケースと属性情報を配置

実例:アパレルカテゴリでの対策効果

以前、婦人用インナーウェアの商品で「商品名にキーワードをつめすぎている」という問題がありました。冒頭を「ノースリーブ インナー 夏 薄い 涼しい 透けない レース M L LL 黒 白 キャミソール タンクトップ 綿」などとしていたんです。これを「ノースリーブインナー 透けない 涼しい レディース 夏用」に絞り込み、季節キーワードは期間限定で追加する方式に変更したところ、CTRが35%向上し、検索順位も3ページ目から1ページ目への上位に上がりました。

商品名の重要な構成要素は以下の通りです:

  • 主キーワード(冒頭):検索ニーズとの一致が重視される部分。「商品カテゴリ + 主要特性」で構成
  • 商品の特徴:素材、用途、形状など。「撥水加工」「オーガニック」のような差別化ポイント
  • ターゲット:男女、年齢層、体型など。「メンズ」「大きいサイズ」など明確に指定
  • 季節性やイベント:「母の日」「夏用」「受験対策」など。ただし常設ではなく、必要な期間のみ組み込む

定期チューニングの重要性

検索トレンドは季節やイベント、トレンドワードの変化により変動します。経験上、月1回程度、検索キーワードの入れ替えや強調の見直しを行うことで、季節変動に対応できます。例えば、冬物衣料を春に売ろうとするなら、「秋冬」から「春」に切り替える、といった柔軟な対応が必要です。

②カテゴリ・タグ設定を戦略的に見直す

ユーザーはカテゴリやフィルター検索を通じて商品を探すことが多いため、カテゴリ・タグIDの適切な設計は検索露出に直結します。ただし、ここでも多くの出店者が「とりあえず適当に設定している」という状況が見られます。

⚠️ よくある間違い:複数カテゴリへの登録

「複数のカテゴリに登録すれば、より多くのユーザーに見てもらえる」という誤解が蔓延しています。実は、複数カテゴリ登録は検索評価を分散させ、どのカテゴリでも上位に上がりにくくなる傾向があります。基本的には、最も適切な「1つの主カテゴリ」に集中させることが推奨されます。

以下は、カテゴリ・タグ設定の実践アプローチです:

  • RMS上でのカテゴリ登録ミスを防ぐ:マスタ設定を定期的にチェック。特に商品の属性変更時に、カテゴリも見直す必要があります
  • 検索ボリュームの多いカテゴリ構成を意識:「家電 > 美容家電 > ヘアアイロン」のように、階層を段階的に落としていく構成が効果的
  • ライバル商品が少ないカテゴリを狙う:レビューや売上実績で上位表示できそうな、いわば「ブルーオーシャン」的なカテゴリを探すことが重要

実例:日用雑貨カテゴリでの戦略転換

日用雑貨(掃除用品)を扱うクライアント店舗では、「クリーニング > 汚れ落とし > 万能クリーナー」という一般的なカテゴリ設定をしていました。しかし競合が多く、順位が上がりませんでした。そこで「クリーニング > 環境配慮 > エコクリーナー」という、検索ボリュームはやや低いものの競合が少ないニッチなカテゴリに変更したところ、そのカテゴリでは1位を獲得。全体のアクセスは微減しましたが、CVRが40%向上し、結果として売上は向上しました。つまり「検索ボリュームの大きさ」より「競争状況とマッチの質」が重要だったわけです。

タグIDの活用

タグIDは楽天内検索におけるサブキーワードの役割を果たします。2025年以降、楽天市場の検索ロジックがさらに進化し、商品属性(タグ)の有無が検索順位に与える影響がより大きくなると言われています。タグIDの付与有無で、検索対象に含まれるか否かが変わるため、必ずRMSで適正なタグを選定・登録しましょう。

③統合ページ設計で販売実績を集中させる

これは多くの出店者が見落としている施策ですが、実装するだけで劇的に効果が変わる対策の一つです。

商品の色違いやサイズ違いを個別ページにしてしまうと、販売実績が分散してしまい、検索評価が下がりやすくなります。楽天では1商品につき1ページにまとめる「SKU統合型の販売設計」が公式でも推奨されています。レビューも統合され、評価面でも有利になります。

SKU統合型設計のメリット

  • 売上・レビュー実績の一本化により評価が集中 → 検索順位が上がりやすい
  • 検索結果でのクリック率が上がりやすい → 実績が積み上がる正のループ
  • ページ内での選択肢が多いため、ユーザー満足度も向上 → CVRが改善
  • RMS上での管理が簡潔 → 運用工数が削減

実例:アパレル・ペット用品での実装例

ペット用品を扱う店舗で、犬用ハーネスをサイズ別に5つの個別ページで運用していました。各ページの月間アクセスは100~150だったのですが、これを1ページに統合し、ページ内でサイズ選択できる設計に変更しました。その結果、統合ページの月間アクセスは600に増加。実績が集中したため、検索順位も2ページ目から1ページ目上位へ上昇しました。

活用ヒント

商品バリエーションが多い場合は、カラー・サイズのサンプル画像をサムネイルに表示し、直感的に選べる設計にすることで、CVR向上にもつながります。例えば、「色:黒・白・グレー(3種類のサムネイル表示)、サイズ:S・M・L・XL(選択ボタン)」という方式です。

④検索ボリューム調査とキーワード設計の進め方

効果的なSEO対策は、「どんなキーワードがどれだけ検索されているか」を把握することから始まります。ポイントは「需要のあるキーワードを正しく拾えているかどうか」です。以下の方法で調査し、商品名・説明文に反映させましょう。

調査手法(5ステップ)

  1. 楽天市場の検索窓にキーワードを打ち込み、サジェストを確認:ユーザーの「つづく検索意図」が見える
  2. ランキング上位商品のタイトル・説明文を分析:競合が何に注力しているか、パターン抽出
  3. キーワードプランナーやラッコキーワード等の外部ツールも参考:Google系のデータで、月間検索ボリュームを確認
  4. RMSの検索クエリレポートからCVに貢献したキーワードを抽出:実際に売上に結びついているキーワードを優先する
  5. 「売れるキーワード」と「検索ボリュームの多いキーワード」の両面から分類:すべての大きなキーワードが儲かるわけではないという認識

キーワード分類の実践例

化粧品カテゴリの事例:

  • 大量検索キーワード・高競争:「ファンデーション」「オールインワン」
  • ニッチキーワード・低競争:「乾燥肌対策 ファンデーション」「敏感肌 オールインワン」
  • → ニッチキーワードは検索ボリュームは小さいものの、CVRが高い傾向がある

実践ポイント

  • ボリュームが多く競合も強いキーワードは、複合ワードで回避:「トースター」より「トースター おしゃれ 小型 一人暮らし」のような複合キーワードが有効
  • ニッチなニーズ(スモールキーワード)を拾うことで、コンバージョン率の高い流入を狙える:月間10件の流入でも、すべて購入に至るキーワードなら、月間1000件で購入率1%より優れている
  • 季節性キーワードは時間軸を意識:「母の日 プレゼント」なら5月に集中するため、3月から対策を開始

⑤CVR向上を前提にした商品ページ作り

楽天SEOのアルゴリズムでは、CTR(クリック率)とCVR(転換率)の高さが検索順位に影響します。これを踏まえ、以下の対策を講じましょう。

改善ポイント

  • ファーストビューに強い訴求を掲載:バナー、割引率、実績、レビュー件数など「買う理由」を最優先に表示
  • 画像は5枚以上を基本に、多角的な情報を提供:楽天市場では1商品ページに最大20枚(2025年現在)の画像が登録可能。1枚目は商品単体、2枚目は使用シーン、3枚目はディテール写真、4枚目はサイズ図、5枚目は受賞歴やレビュー抜粋…という構成が効果的
  • 商品説明文にレビュー抜粋、ランキング入賞歴、Q&Aなどを盛り込む:信頼性を上積み
  • クーポン・送料無料・即納・レビュー特典などの訴求を明記:「今買う理由」を明確化

⚠️ 落とし穴:スペック羅列だけでは不足

商品説明欄において、単なるスペック羅列(「素材:綿100%」「サイズ:M・L・XL」)だけでは、CVRは上がりません。必要なのは「このスペックで、あなたのどんな悩みが解決されるのか」という具体的なベネフィットの提示です。

実例:食品(仕出しサービス)での改善事例

弁当の仕出しサービスを扱うクライアント店舗では、最初「米:国産コシヒカリ使用」「おかず5種類」といったスペック記載が中心でした。これを「毎日の昼食の時間を短縮したいビジネスマン向け」「栄養バランスを重視する子育て世帯向け」というペルソナ別ベネフィットの記載に変更。さらに、「朝9時までの注文で翌日配送」という手軽さを前面に出しました。結果、CVRが28%向上し、リピート率も上昇しました。


楽天SEOと広告施策を連動させてブーストする

ここまで、自然検索(SEO)のための施策をお伝えしてきました。しかし、楽天で売上を爆発させるには、SEOと広告の連動が不可欠です。その考え方を解説します。

新商品立ち上げ期に広告を使うべき理由

多くの出店者が「広告はコストがかかるから避けたい」と考えます。しかし、これは戦略的には間違っています。広告はSEOの代替ではなく、検索順位向上を加速させるブースターなのです。

特に販売実績が乏しい新商品では、初期段階で広告を活用し、「実績をつけてから自然検索に切り替える」流れが理想です。

新商品立ち上げの流れ(3段階)

第1段階(打ち上げ1~3か月):広告で爆速実績づくり

– RPP広告やCPC広告に予算を集中

– 目標:月売上30~50万円程度の実績を蓄積

– メリット:レビューが貯まり、検索評価が上昇

第2段階(打ち上げ4~6か月):SEO効果の顕在化

– 広告予算は維持しつつも、自然検索流入が増え始める

– CTRやCVRが向上し、アルゴリズムからの評価が上昇

第3段階(打ち上げ7か月以降):広告から自然検索へシフト

– 検索順位が安定したら、広告予算を段階的に削減

– 自然検索からの安定流入で、利益率向上

RPP広告などCPC施策とSEOの相乗効果の考え方

CTRとCVRが高い状態を広告で演出できれば、その後のSEO効果も大きくなります。楽天市場内のCPC広告(RPP広告など)やPRオプションは、単なる販促手段ではなく、SEOを加速させる起爆剤になるのです。

  • CPC施策はあくまで「先行投資型SEO支援」と捉える:広告費を「SEO構築への投資」と考える
  • 広告のCTRやCVRが高い商品は、検索評価においてもプラスになる:その商品が「ユーザーに選ばれている」ことをアルゴリズムが認識
  • RMSの広告レポートとSEOレポートを横断的に分析し、相乗効果を最大化:「どのキーワードで広告が効いているか」が「今後のSEO対策の優先順位」を教えてくれる

実例:複数カテゴリでの広告活用事例

アパレルと化粧品を扱う店舗では、新商品投入時に「初月10万円の広告予算」を設定し、集中的にCVを獲得しました。結果として、初月の実績が通常商品の3倍に。この実績がアルゴリズムに認識され、2か月目から自然検索順位が上昇。3か月目には、広告なしでも月30万円の売上が自然検索から発生するようになりました。広告費10万円で、その後の自然検索資産が月30万円規模になったという計算です。


楽天SEOの成果を出すためのPDCA運用

楽天SEOは「仕込んで終わり」ではなく、常に調整と改善を繰り返すプロセスです。SEOが強いショップほど、運用がルーティン化されています。ここでは、その運用フレームを解説します。

RMSレポートで追うべき指標とチェック頻度

RMS(Rakuten Merchant Server)は出店者にとって最強のデータ分析ツールです。しかし、多くの店舗が「アクセス数」や「売上金額」だけを見て、深掘りしていません。

追うべき指標(優先順位順)

指標チェック頻度改善アクション例
商品別CTR(クリック率)週1回CTRが5%以下なら、商品名やサムネイル画像を改善
商品別CVR(転換率)週1回CVRが1%以下なら、説明文やファーストビューを改善
キーワード別検索順位月2回順位が下がったキーワードの商品名や説明文を見直す
検索クエリレポート月1回未対応の検索クエリを発見し、商品名や説明文に反映
レビュー件数と平均評価月1回評価が3.8以下なら、品質改善やレビュー促進を強化

キーワード・タイトル・カテゴリの定期チューニング

これは、ほぼすべての成功している店舗が実施しているルーチン業務です。

  • 商品名(タイトル):月1回見直し
    • 検索トレンドの変化、季節キーワードの入れ替え、新しいサジェストワードへの対応
  • カテゴリ設定:3か月に1回見直し
    • ライバル商品の増減、検索ボリュームの変化に応じて最適なカテゴリを再選定
  • タグID:初期設定から半年後に再評価
    • 2025年以降、タグの重要性が増しているため、設定状況の見直しが必須
  • 商品説明文:売上パターンに応じて随時改善
    • 「売れていない理由」がCVRの低さなら説明文、CTRの低さなら商品名を疑う

定期チューニングのスプレッドシート管理例

商品ID | 商品名(現在) | 検索順位 | CTR | CVR | 先月との比較 | 改善アクション

このようなシートを月1回、全商品について更新することで、改善漏れを防ぎます。

広告データとSEOデータを横断して見るポイント

これまで「広告も重要」「SEOも重要」と述べてきましたが、実は両者のデータを統合して見ることが、最も強力な改善シグナルになります。

分析のコツ

  • 同じキーワードで「広告経由のCVR」と「自然検索経由のCVR」を比較
    • 広告の方がCVRが高い場合、ページ内容よりも「見出し(商品名)に問題がある」可能性
  • 広告で成果が出ているキーワードは「自然検索でも成果が出る可能性が高い」という仮説
    • そのキーワードに特化した商品名・説明文への改善を優先度高で実施
  • 自然検索順位が上昇しても、CTRが上がらないキーワードを検出
    • これは「商品名が検索意図とズレている」可能性。修正の優先度が高い

2025年から対応必須:パーソナライズド検索への戦略転換

ここまでお伝えしてきたSEO対策は、「基本」です。しかし、2025年7月15日、楽天市場は大きな進化を遂げました。

パーソナライズド検索とは何か

楽天市場では、ユーザーの検索・閲覧・購入履歴、属性(性別・年齢)、好み(ブランド・価格帯)に基づいて、検索結果を個別に最適化する「パーソナライズド検索」を正式リリースしました。

これまで、楽天市場の検索結果は「基本的に全員が同じ順位を見ていた」のですが、これからは「ユーザーごとに異なる検索結果が表示される」ようになります。

⚠️ 重要な認識転換

従来のSEO対策では「特定キーワードで1位を獲得する」ことが目標でした。しかし、パーソナライズド検索の導入により、「1位」という概念そのものが相対的になりました。ユーザーAには1位、ユーザーBには15位…という状況が普通になります。

パーソナライズド検索に対応するための運用ポイント

では、この新しい環境でどう対応すればいいか。重要なのは「個別ユーザーの満足度を高めること」です。

  • 商品情報の精度を極める
    • タイトル、説明文、画像、属性情報が正確であることが、パーソナライズアルゴリズムに正しく認識されるための前提
  • ユーザー属性に応じた訴求を意識する
    • 例えば「20代女性、高単価ブランド志向」というユーザーと「40代男性、コスパ重視」では、同じ商品でも異なる説明文で訴求すべき
  • CVRの継続的な向上に注力する
    • パーソナライズド検索では「そのユーザーが購入しそうか」という実績がより重視されるため、ページ改善がダイレクトに順位に反映
  • 主力商品の検索流入の変動を監視する
    • 2025年7月15日前後で、検索流入が急激に変動した商品を特定し、その原因を分析(一部ユーザーには高評価、別ユーザーには低評価など)

パーソナライズド検索への適応例

パーソナライズド検索導入後、クライアント店舗で面白い現象が起きました。「ブランド化粧品」の商品が、従来は「安さ重視」ユーザーにはほぼ表示されていなかったのですが、導入後「前月同じブランドの別商品を購入した」ユーザーには積極的に表示されるようになりました。結果として、高単価ユーザー向けの流入が集中し、CVRが向上。総アクセスは若干減少しましたが、売上は15%増加しました。


楽天市場SEOチェックリストまとめ

本記事で紹介した対策を、実装レベルでチェックできるリストにまとめました。まずは「ここから着手できる3アクション」から始めましょう。

実装確認チェックリスト

商品名・タイトル

  • ☐ 主キーワードが冒頭20文字に含まれている
  • ☐ キーワードが羅列されておらず、自然な日本語
  • ☐ 月1回以上の見直しが定期化されている
  • ☐ 季節キーワードは必要な期間のみ(常設ではない)

カテゴリ・タグ設定

  • ☐ 1商品につき「主要カテゴリ1つ」に集中している
  • ☐ タグIDが5個以上適切に設定されている
  • ☐ 3か月ごとに競合カテゴリと比較し、最適性を確認

商品画像・説明文

  • ☐ 画像が5枚以上登録されている
  • ☐ 単なるスペック羅列ではなく、ユーザーベネフィットが記載されている
  • ☐ ファーストビューに「買う理由」(割引、ランキング、レビュー数)が明示

レビュー・評価管理

  • ☐ 平均評価が3.8以上に保たれている
  • ☐ レビュー件数が月間5件以上増加している
  • ☐ レビュー特典やお礼メール送付が運用化されている

広告とSEOの連動

  • ☐ 新商品投入時に初期3か月は広告予算を確保
  • ☐ 広告とSEOの成果を月1回は横断分析
  • ☐ 広告で成果が出ているキーワードを自然検索対策に反映

PDCA運用

  • ☐ RMSでCTR・CVRを週1回確認する習慣
  • ☐ 検索クエリレポートを月1回以上確認
  • ☐ 改善内容と結果を記録し、何が効いたかを可視化

明日から着手できる「まずやるべき3アクション」

アクション1(今日中:30分)

RMSにログインして、自店舗の「検索クエリレポート」を確認。月間で最も流入が多い検索キーワード、上位3つをスクショに撮り、それが現在の商品名に反映されているか確認

アクション2(明日:1時間)

流入が多いキーワードが商品名に反映されていなかった場合、今月中に商品名を更新する計画を立案。ただし、一度に複数の商品名を変更するのではなく、1~2商品で「改善効果」を測定してから横展開する

アクション3(今週中:2時間)

自店舗の「売上が高い商品ベスト3」と「検索順位が低い商品ベスト3」を比較。なぜ売上が高いのに順位が低いのか、またはその逆か、理由を分析。例えば「売上高だが順位低い」なら広告経由が多いはず。その場合、SEO対策して自然検索流入を増やす余地がある


最後に:楽天SEOは「継続」で差がつく

楽天市場SEOを本気で攻略するには、以下の5要素を同時に改善・強化していく必要があります。しかし、これらはすべて「1回やったら終わり」ではなく、毎月・毎週の「ルーチンワーク」です。

要素内容チェック頻度
商品名設計主キーワードと構成ルールを徹底月1回
カテゴリ・タグ最適化ユーザー動線と露出最大化を狙う3か月に1回
実績の集中管理統合ページで販売・レビュー実績を一元化定期確認
転換率向上訴求力あるページ設計とベネフィット提示週1回
広告と連動SEO効果を高める広告戦略の実施月1回

競合の激しい楽天市場だからこそ、SEOを「仕組み」として設計・運用することが差別化の鍵になります。

本記事で紹介したチェックポイントを、まずはひとつから取り入れて、検索順位と売上の両方を着実に改善していきましょう。


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