「売れない」には必ず「理由」がある。感情論を捨てて数字を見よう
「先月より売上が落ちた。景気が悪いからか?」
「広告を出しても全く反応がない。楽天の仕様が変わったのか?」
15年以上、ECの現場で数え切れないほどの相談を受けてきましたが、売上不振に陥る店舗の共通点は「原因を特定する前に、手当たり次第にアクションを起こしてしまうこと」です。
風邪を引いているのに胃薬を飲んでも治りません。
楽天市場の売上改善も同じです。どこが悪いのか(診断)を間違えれば、どんな施策(治療)も無駄になります。
本記事では、精神論を排し、「数字」だけを頼りに売上不振の原因を特定し、最短で回復させるための5つのステップを解説します。
STEP1:現状を把握する(「どこで」詰まっているか?)
まず、RMSの「店舗カルテ」や「アクセス分析」を開いてください。
売上が伸びない原因は、大きく分けて以下の3つのパターンのどれかしかありません。
- アクセス不足: そもそもお客様が来店していない(露出・クリックの問題)
- 転換率(CVR)不足: 来店しているが、買わずに帰っている(接客・商品の問題)
- 客単価不足: 買ってはくれるが、1回の金額が安すぎる(合わせ買い・価格設定の問題)
【重要】
多くの人が「全部悪い」と言いますが、必ず「一番悪い箇所(ボトルネック)」が一つあります。
例えば、CVRが5%(超優秀)なのに売れないなら、原因は100%「アクセス不足」です。逆にアクセスが月間10万あるのに売れないなら、広告費をかける前に「ページ改善」が必要です。
STEP2:原因を分析・特定する(数字の裏を読む)
ボトルネックが見つかったら、さらに深く掘り下げます。
- アクセスが少ない場合:
- 検索順位は? 狙ったキーワード(例:「スマホケース 手帳型」)で1ページ目にいますか?
- サムネイルは? 順位は良いのにクリックされていないなら、画像が競合より劣っています。
- CVRが低い場合:
- スマホで見てますか? PCで綺麗なページでも、スマホで文字が小さすぎませんか?
- 価格は? 競合より「送料込みで」100円以上高くありませんか?
- レビューは? 直近で★1〜2のレビューが投稿されていませんか?
STEP3:課題に優先順位をつける(「露出」が先か、「接客」が先か)
ここがプロと素人の分かれ目です。
改善には「鉄則の順番」があります。
正解のルート:
「転換率(CVR)」の改善 → 「露出(アクセス)」の拡大
多くの店舗が逆をやります。「売れないから広告(RPP)を増やそう」としてしまいます。
しかし、「穴の空いたバケツ(CVRが低いページ)」に水(アクセス)を注いでも、広告費が垂れ流しになるだけです。
まずは「来たら買ってくれる状態(CVRの目安:2〜3%以上)」を作ること。集客はその後です。
STEP4:対応策を実行する(ピンポイント処方箋)
優先順位が決まったら、具体的なアクションに移ります。
① CVR改善(接客の穴を塞ぐ)
- スマホ画像の「2枚目」を変える:
1枚目はガイドライン制限がありますが、2枚目は自由です。ここで商品の最大のメリット(ベネフィット)をデカ文字で訴求してください。 - 「あと一歩」を後押しする:
「あす楽(最強配送)」対応にする、クーポンを目立つ位置に置く、LINE登録特典をつける。
② アクセス改善(露出を広げる)
- 商品名チューニング:
「検索されそうな言葉」は全て入っていますか?(例:スニーカー、靴、シューズ、白、厚底…) - サムネイルの差別化:
競合が白背景なら、あえて影をつけて立体感を出す、セット内容を一目で分かるように置くなど、視覚的に目立たせます。
※注:テキスト占有率20%以下のガイドラインは必ず遵守してください。減点されると元も子もありません。
③ 客単価改善(利益を増やす)
- 松竹梅の法則:
単品(1,000円)だけでなく、2個セット(1,800円)、3個セット(2,500円)のバリエーションを作ります。 - 「ついで買い」への誘導:
スマホ商品ページの下部に「よく一緒に購入されている商品」へのリンクバナーを設置します。
STEP5:結果を検証する(1週間単位でジャッジする)
施策を実行したら、必ず「1週間〜2週間」で結果を見てください。
- 良かった場合: なぜ良かったのか?(例:2枚目の画像を変えたらCVRが0.5%上がった)→他の商品にも横展開する。
- 悪かった場合: すぐに元に戻すか、別の仮説を試す。
ECの良いところは、失敗してもすぐに修正できることです。最も悪いのは「やりっぱなし」にすることです。
まとめ:改善に「魔法」はない。あるのは「順序」だけ
楽天市場で売上が急回復するような「魔法のボタン」は存在しません。
しかし、「正しい順序」で改善を行えば、必ず数字は反応します。
- 現状を見る(アクセス?CVR?単価?)
- 穴を塞ぐ(まずはCVRから)
- 水を注ぐ(アクセスを増やす)
このサイクルを、感情を排して淡々と回せる店舗だけが、10年後も生き残れます。
今日からRMSを開き、まずは「一番弱い数字」を一つ見つけることから始めましょう。
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