検索で即ヒット!楽天市場・Yahooショッピングで使える、強みを瞬時に伝える商品名の作り方ガイド

はじめに

楽天市場・Yahoo!ショッピングといった大規模モールでは、商品ページを訪れてもらう前の「検索結果画面」で、ユーザーの心をつかむことが何より重要です。いくらページの中身を充実させても、そもそもクリックされなければ売上にはつながりません。
ここでは、オリジナル商品を扱うネットショップ運営者の方が、検索結果で“強み”を瞬時に伝えられる「商品名+キャッチコピー」の設計法をステップごとに解説します。


1. お客さまはどこから来る?購買行動の基本

ユーザーが最初に目にするのは「検索結果一覧」です。たとえば楽天ではモール内の検索窓、Yahoo!ショッピングではストア内検索や外部検索エンジンから来店するケースが多く、どちらも最初の接点は“検索結果”です。

  • ECモール(楽天/Yahoo!)ユーザー
    モール内の検索機能を使って商品を探す。
    補足:モール内の検索結果は“絞り込み”や“こだわりタグ”の影響で、ユーザーの意図に合った商品が上位表示されやすい一方、タイトルの読みやすさ・魅力でクリック率が大きく変わります。
  • 自社サイトユーザー
    GoogleやYahoo!などの外部検索エンジン経由で流入。
    補足:外部検索の場合は、商品名だけでなく、ディスクリプション(概要文)も併せて表示されるため、ここに含めるキャッチやキーワードの選定にも注意が必要です。

なぜ「クリックされるか」が重要なのか?

  1. 検索結果でクリックされなければ、ページを訪問してもらえない
  2. 訪問がなければ、いくらページ内で強力な訴求をしても売上には結びつかない

つまり、「検索結果で目を止めてもらう」という土台が整わなければ、その先の施策は意味を成しません。


2. 検索結果で“刺さる”商品名+キャッチコピー戦略

検索結果画面では、ユーザーは一覧の商品を「商品画像」「商品名」「価格」の順でパッと眺め、興味が湧けばクリックします。ここでのポイントは次のとおりです。

  • 短く端的に:一瞬で商品のUSP※(独自の売り)を伝える
    補足:ユーザーは流し見状態なので、文字数は7~9文字程度に抑えると読みやすく、訴求ポイントが目に入りやすくなります。
    ※USPは「Unique Selling Proposition」の略で、マーケティングにおいて自社の商品やサービスが持つ独自の強みや価値を指します。
  • 構成は「キャッチコピー+商品名本体」
    補足:冒頭のキャッチコピーで「どんな強みがある商品か」を示し、メインの名称でブランドやシリーズ名を記憶させる。両者を組み合わせることで、クリックしたいと思わせる“引力”が生まれます。

  • 「国産素材×ふわふわ」ふとんクッション
    • 補足:『国産素材』で品質への安心感、『ふわふわ』で使用感を想像させる。
  • 「防水設計で安心」レディーススニーカー
    • 補足:『防水設計』という具体的機能でニーズに直結、『安心』というベネフィットも訴求。
  • 「濃厚ビターな」手作りチョコレート
    • 補足:『濃厚ビター』と味わいを想起させつつ、『手作り』でこだわりを演出。

こうした「一目で響く言葉」を商品名の冒頭に置くことで、検索結果一覧でのCTR(クリック率)が飛躍的に向上します。

3. サブカテゴリ×強み抽出で差別化ワードを見つける

ECモール内には数万点もの商品が並び、大手と真正面から競合するのは難しいもの。そこで中小店がとるべき戦略が、メインカテゴリを細分化した「サブカテゴリ」領域での勝負です。

  • メインカテゴリ:スニーカー
    商品全体の大まかなジャンルを示します。競合が多いうえに、属性がざっくりしすぎていてユーザーの興味を引きにくいのが難点です。
  • サブカテゴリ:レディース防水スニーカー
    「女性向け」「防水機能」といった具体的特徴を掛け合わせることで、探しているユーザー層が明確になります。ニーズの強いユーザーが絞り込まれ、クリック率が向上しやすくなります。
  • さらに絞り込む場合:軽量×トレッキング向け
    “アウトドアでも使える防水スニーカー”といったさらに細かな用途を打ち出すことで、他社と被りにくく、熱量の高い見込み客へアプローチできます。

補足説明
サブカテゴリを洗い出すには、楽天やYahoo!の検索窓サジェスト、モール内ランキング、競合店舗のタイトル分析などを活用しましょう。これにより、実際に検索されているキーワードや、ユーザーが求める具体的ニーズを効率的に把握できます。


4. 真似しやすい!商品名改善の5大テクニック

センスに頼らずとも、だれでも導入しやすい実践的テクニックを5つご紹介します。どれも「箇条書き+補足説明」で真似しやすいものばかりです。

  1. キャッチコピー+商品名
    「○○で安心」「□□だから軽い」といった短いフレーズを商品名の冒頭に置くことで、検索一覧で強みが一瞬で伝わります。
  2. 数字や仕様を先出し:「○○g増量」「3WAY仕様」
    数字を盛り込むと具体性が増し、ユーザーは「得」「機能」「用途」を瞬時に理解しやすくなります。
  3. 安心感ワード:「国産」「有機」「洗える」
    「どこで」「どうやって」「誰が作ったか」という信頼性を示すキーワードを入れると、購入ハードルが下がりやすくなります。
  4. 用途を明示:「キャンプ」「ギフト」「ビジネス」
    具体的な利用シーンを示すことで、「自分にぴったり」「プレゼントにも最適」といったイメージを持たせられます。
  5. エモーショナル表現:「癒される」「感動の」「本格派」
    感情を刺激する言葉を組み込むことで、商品への愛着や期待感を高め、クリック意欲を誘発します。

補足説明
これらのテクニックは単独でも効果的ですが、複数を組み合わせるとさらに訴求力がアップします。たとえば「国産×洗える」ふとんカバーや「3WAY仕様の感動の」多機能バッグなど、強みと感情価値を両立させるネーミングを目指しましょう。


5. プラットフォーム別・注意ポイント

楽天市場とYahoo!ショッピングでは、仕様やルール、ユーザーの見るポイントが微妙に異なります。以下のポイントを押さえて、各プラットフォームで効果を最大化しましょう。

■ 楽天市場

  • RMS登録の「キーワード詰め込み過ぎ」に注意
    不自然にキーワードを詰め込むと、検索アルゴリズムからスパム判定を受けたり、ユーザーに読みにくい印象を与えたりします。ユーザー視点で自然な文章量を心がけましょう。
  • 商品ラベル活用(例:「最強翌日配送」「ショップ・オブ・ザ・イヤー」)
    目を引くラベルを組み合わせると、検索結果の一覧上でビジュアル的な訴求力がアップし、クリック率向上につながります。
  • こだわりタグの設定
    「ギフト対応」「即日発送」といったタグをRMSで設定しておくと、ユーザーの絞り込み検索に引っかかりやすくなり、潜在顧客へのアプローチ機会が増えます。

■ Yahoo!ショッピング

  • アイテムマッチ精度の向上
    前半にブランド名やカテゴリ名、後半に訴求ワードを入れると、ストア内検索および外部検索でのマッチ率が高まります。特にアイテムマッチで引っかかりやすくなる配置を意識しましょう。
  • ストアクリエイターProのバナー連動
    商品名と同じコピーをストアバナーにも使うことで、広告経由のCTR・CVRが上がりやすくなります。バナーと商品タイトルに一貫性を持たせてブランドイメージを強化しましょう。
  • スペック詳細のキーワード登録
    スペックタブや商品説明タブに補足キーワードを記載すると、検索アルゴリズムからの評価が高まりやすく、検索結果の露出機会が増えます。

6. 「商品の強み」がわからないときのPDCAサイクル

強みワードが定まらない場合は、仮説と検証を繰り返すことで、ユーザーに刺さる最適な表現を見つけましょう。

  • Plan(仮説立案)
    • まずは「防水」「軽量」「ギフト向け」「国産」「時短調理」など、サブカテゴリや用途に沿った強みキーワードを3~5個ピックアップします。
      • 補足:選ぶ際は、過去のレビューや競合タイトル、検索サジェストを参考に。実際にユーザーが使用シーンで気にしているポイントを洗い出すと仮説の精度が高まります。
  • Do(実行)
    • 各キーワードパターンを商品タイトルに適用し、小規模でもA/Bテストを実施します。
    • 楽天なら「お買い物マラソン用バナー出稿」、Yahoo!なら「アイテムマッチ広告設定」など、少額のプロモーションと組み合わせて流入を確保。
      • 補足:広告クリエイティブもタイトルと統一感を持たせ、テストの結果が「タイトル効果か広告効果か」が判別しやすいように工夫しましょう。
  • Check(計測)
    • CTR(検索一覧からのクリック率):タイトル変更前後で比較し、クリックに最も寄与したパターンを特定。
    • CVR(ページ ⇒ 購入率):流入後の購買行動も合わせて分析し、タイトルだけでなくページ内導線との相性も評価。
    • レビューやアンケート:購入者がどのワードに反応したか、定性コメントを収集。
      • 補足:Google アナリティクスやモール内店舗レポートを活用し、定量データと定性データをバランスよく組み合わせると次の仮説が立てやすくなります。
  • Action(改善)
    • 最も成果の良かったキーワードをタイトルに残し、他のパターンは新たな仮説ワードに入れ替え。
    • タイトルだけでなく、商品ページ内の見出しやバナー、ディスクリプションにも同じキーワードを反映し、一貫性をもたせる。
    • 必要に応じて、商品説明文や画像キャプションにも強みワードを散りばめ、訴求力を最大化。
      • 補足:この改善フェーズでは「成果が出た理由」を社内で共有し、ナレッジとして蓄積すると、他商品への展開がスムーズになります。

7. まとめ:商品名はショップの成長資産

  • 検索結果での第一印象がすべて
    商品ページに至る前に「商品名+キャッチコピー」で興味を引けなければ、優れたページも活かせません。
  • “キャッチコピー+商品名”で強みを瞬時に伝える
    7~9文字程度の短いフレーズを冒頭に置くことで、検索一覧上で他社と差別化しやすくなります。
  • サブカテゴリ視点でニッチを攻める
    大手と張り合うより、細分化したサブカテゴリで「求めるユーザー層」を明確にし、訴求力を高めましょう。
  • PDCAで常にブラッシュアップ
    定量・定性データを組み合わせた仮説検証を継続し、最適な強み表現を見つけていく。
  • プラットフォーム特有の最適化も忘れずに
    楽天のRMS設定、Yahoo!のアイテムマッチ・ストアクリエイターProなど、それぞれの仕組みに適応した運用が重要です。

商品名は、一度作ったら終わりではなく、ユーザーの声や市場動向に応じてアップデートすべき“成長する資産”です。検索流入・クリック率・購入率の向上を目指し、PDCAを回しながら磨き続けましょう。


P.S.
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