はじめに
「楽天のセールってどれが重要なの?」「年間のセール日程を把握しておきたいけど、情報が散乱している…」
EC業界に15年以上携わってきて、業界大手の部門責任者も務めた経験からいえば、楽天出店者が売上を伸ばせるかどうかは、セール戦略で8割が決まると考えています。
本記事では、楽天市場で開催される主要セール・キャンペーンの全体像を体系化し、実務的な準備ガイドと年間カレンダーをまとめました。これを読めば、次のような疑問がすべて解消します:
- 「どのセールに参加すべき?」
- 「いつから準備を始めるべき?」
- 「商材ジャンルごとに相性のいいセールは?」
- 「セール期間中の失敗を避けるには?」
この記事でわかること: 楽天市場の8大セール・イベントの特徴と時期、年間の販促計画の立て方、セールごとの準備チェックリスト、そして実務経験から得た落とし穴の回避方法
※本記事に掲載している事例は、クライアントの特定を防ぐため、一部の数値や条件などを変更しております。
1. 楽天セールとは?出店者が押さえるべき基本
この章でわかること
楽天セール参加の集客効果と、参加が売上に直結する理由を解説します。
楽天市場における「セール」とは、単なる値下げではありません。楽天が全社をあげて広告・SNS・メール配信を行うため、平時の3~5倍のトラフィックが一気に市場全体に流入するのです。
出店者としては、その流入ボーナスを活用できるかどうかで、年間の売上が大きく変わります。
集客効果が大きい理由
楽天セール期間中は、楽天市場全体への流入が劇的に増えます。これは以下の理由によるものです:
- 楽天グループ全体の広告投下 → 楽天カード会員へのメール配信、楽天トラベル・楽天ぐるなび・楽天モバイルなどのクロスプロモーション
- SNS・メディアでの露出 → インスタグラム、X(旧Twitter)、楽天Magajineなどでのセール告知
- 楽天市場トップページの特設コーナー → セール期間中は「目玉商品」「ランキング」「特集」が集中掲載
実は、参加店舗の大多数は「セール期間中だから自動的に売れる」と勘違いしているのですが、実際には「準備度合い」で売上差が2倍以上になることを、私たちのコンサル実績が示しています。
セール参加が売上に直結する3つの要因
楽天出店者にとってセール参加がこれほど重要なのは、以下の3つの効果が同時に発生するからです:
1. 検索順位の一時的上昇 セール期間中、楽天の検索アルゴリズムは「セール対象商品」を優先して上位表示させます。特に「スーパーセール検索」や「マラソン検索」では、通常より20位程度順位が上がることもあります。
ただし、この効果は「期間限定」という限界があります。セール終了後に順位が急低下するため、その間に「リピーター」や「カテゴリーページへのアクセス」を獲得することが重要です。
2. ポイント倍率アップによるCVR向上 買いまわりキャンペーンやポイント倍付けにより、ユーザーの購買心理が大きく変わります。
「通常時は迷う商品」も「セール時なら買う」という心理が働くため、CVRが1.5~3倍に跳ね上がるのです。
3. 複数ショップでの購入促進(回遊効果) 「買いまわりキャンペーン」という仕組みにより、ユーザーが複数ショップを訪れるため、関連商品の露出チャンスが増えます。
私たちがアパレルクライアントと支援していた際、スーパーセール期間中に「メインカテゴリー以外の関連商品」の売上が平時の5倍に達したことがあります。
セール活用で得られるメリット
整理すると、楽天セール参加による効果は以下の3つに集約されます:
| 効果 | 通常時 | セール時 | 倍率 |
| 集客数 | 月100訪問 | 月400訪問 | 4倍 |
| CVR | 2% | 4~5% | 2~2.5倍 |
| 客単価 | 5,000円 | 5,500円 | 1.1倍 |
| 月間売上 | 10万円 | 88~110万円 | 8.8~11倍 |
※アパレル・日用雑貨の平均実績値
2. 楽天市場の主なセール・キャンペーン一覧【2025年版】
この章でわかること
楽天市場で開催される8大セール・キャンペーンを「特徴・時期・施策ポイント」で統一フォーマットで解説します。
1) 楽天スーパーSALE(年4回)
特徴 楽天市場最大級の集客力を持つセール。約200万点の商品が最大半額以下で購入可能になります。
出店者のやるべきことも多い(価格設定・クーポン発行・特設ページなど)ですが、その分、参加による売上効果も最大です。
時期 毎年 3月・6月・9月・12月 の4日~11日(8日間) ※初日20時スタート、最終日1:59終了
2025年の実績:3月4日~11日、6月4日~11日、9月4日~11日、12月4日~11日
相性の良い商材
- 家電・家具(高額商品が半額対象になりやすい)
- ファッション・アパレル(季節ごとの在庫処分)
- 化粧品・美容(ストック需要が高い)
- ペット用品・フード(家計負担が大きい時期に買い時)
施策ポイント
- 商品タイトルの工夫 → 「【スーパーセール限定】〇〇」と冒頭に記載し、検索での上位表示を狙う
- 価格設定 → セール期間中は原価ギリギリまで下げる店舗も多い。市場相場を日々チェックしてポジションを調整する
- クーポン発行 → 5%~15%程度の割引クーポンを事前に準備。セール初日の朝に発行すると効果的
- スーパーセール検索への登録 → RMS内から「セール対象商品」として登録(必須)
- 在庫の事前準備 → セール期間中の急激な売上増に対応するため、1ヶ月前から仕入れ・在庫調整を完了させる
出店者の視点から:失敗例と対策
私たちが支援していた化粧品販売企業が、スーパーセール初回時に犯した典型的な失敗が「在庫不足」です。
セール初日の午前中に在庫が枯れてしまい、その後3日間は「売切れ」表示のままになってしまいました。その結果、月間売上は「準備していた予想の60%」に落ち込みました。
対策としては、セール開始1ヶ月前に仕入れ数を「通常時の3倍」に設定し、セール終了後の在庫処分も見越した計画を立てるべきです。
2) お買い物マラソン(月1~2回ペース)
特徴 「ショップ買いまわり」によるポイント倍率UPが最大の特徴。1ショップ1,000円以上の購入で、購入ショップ数に応じてポイント倍率が増えます。
スーパーセールより開催頻度が高く、売上の「底支え」的な役割を果たします。
時期 ほぼ毎月1~2回開催(例:1月中旬・下旬、2月中盤・下旬など) ※開催日程は公式発表されていないため、過去傾向から予測が必要
2025年実績:1月・2月・3月・4月・5月・6月・7月・8月・9月・10月・11月など、月複数回
相性の良い商材
- 日用消耗品(トイレットペーパー、洗剤など定期購入)
- 食品・仕出しサービス(複数ショップからの購入が自然)
- ファッション小物・アクセサリー(複数購入が容易)
- ペット用品(毎月の定期購入に最適)
施策ポイント
- 購入単価の工夫 → 複数ショップからの購入を促すため、「1,000円~3,000円」の価格帯商品を充実させる
- セット販売 → 「お得セット」「まとめ買いセット」を企画し、客単価を上げる
- 送料無料ライン → 「3,980円以上送料無料」と明記し、まとめ買いを促進
- バナー・メールでの告知 → マラソン開始日の前日夜に、登録会員へのメール告知が効果的
限界と実務上の注意点
お買い物マラソンは「月に何度も開催される」ため、その分ユーザーの「特別感」が薄れやすいという側面があります。
つまり、出店者も「何度も参加する」ため、それぞれの施策の差別化が難しくなるのです。
我々が日用雑貨クライアントに支援する際は、「マラソンごとに異なるテーマ(例:『冬の必需品フェア』『春の新生活応援』)」を設定し、毎回異なる商品を推し出すことで、差別化を図っています。
3) 超ポイントバック祭(年2~3回)
特徴 買いまわり不要で、購入金額に応じたポイント還元が受けられるキャンペーン。
高額商品の売上促進に特に効果的です。スーパーセールと異なり、「割引クーポン」の数が少ない代わりに、「ポイント還元」に特化しています。
時期 不定期(年2~3回、過去実績から4月・8月・11月ごろが多い)
2025年実績:7月29日~31日、11月~12月の可能性
相性の良い商材
- 高単価商品(家電・ブランド品・家具)
- 季節商品(夏物・冬物の時季替わり)
- 化粧品・美容アイテム(購入金額帯が高め)
施策ポイント
- 高単価商品の露出強化 → RMS内のバナー・特集ページで、「高額商品の特選セット」を前面に出す
- レビュー施策 → 購入ハードルが高い高額商品だからこそ、「購入者レビュー」の充実が重要。セール開始1ヶ月前から、既存顧客にレビュー依頼を送付
- 高品質な商品画像の準備 → 撮影クオリティが購入判断に大きく影響するため、プロフォトの事前準備が必須
- 新規顧客向けの訴求 → ポイント高還元期間だからこそ、「初めてのお客様向けクーポン」を別途用意
4) 楽天ブラックフライデー(11月)
特徴 海外のブラックフライデートレンドを取り入れた、年1回の大型セール。11月下旬に開催され、スーパーセールと同等か、それ以上の集客力を持ちます。
時期 毎年11月下旬(例年11月20日前後から27日頃までの約7日間)
2025年確定:11月20日(木)20:00~11月27日(木)1:59
相性の良い商材
- 家電・美容家電(クリスマスプレゼント需要)
- 年末用の日用品・消耗品
- 高級食品・ギフト商品
- ファッション・アウター(冬物の最後の販促)
施策ポイント
- タイムセール・数量限定商品の活用 → 「初日20時~22時限定50%OFFクーポン」など、時間限定で購買心理をあおる
- ブラックデザイン・黒系色の特集ページ → 視覚的にブラックフライデーの雰囲気を演出
- 年末商戦への流れを意識 → ブラックフライデー直後は「大感謝祭」が控えているため、「次のセールでも使える」クーポンを配布するなど、リピート施策も視野に
実務上の判断基準
ブラックフライデーと大感謝祭は、わずか数日の間に連続開催されます。
出店者としては「どちらに注力するか」という判断を迫られるのですが、過去のデータから「ブラックフライデーは『高額商品』、大感謝祭は『日用品・ギフト』に強い」という傾向があります。
つまり、クライアント企業の商材によって、準備レベルを変えるべきなのです。
3. 楽天市場のその他の主要イベント
この章でわかること
スーパーセール・マラソン・ブラックフライデー以外の、注目すべきイベントを月別で解説します。
5) 楽天大感謝祭(12月中旬~下旬)
特徴 「1年間の感謝を込めた特価商品」「福袋」「数量限定商品」がキーワード。年末商戦の最大イベントです。
時期 毎年12月20日前後(2024年は12月19日~26日)
出店者の対応ポイント
- 年末に向けたギフト・まとめ買いセットの販売
- 年内最終配送日・発送対応を明記し、「クリスマスに間に合う」という安心感を提供
- 来年の予約販売や先行セールも並行展開
6) 楽天初売り(1月1日~1月5日ごろ)
特徴 元旦スタートの新春セール。福袋、おみくじクーポン、新年キャンペーンなど、「限定感」と「お得感」が求められます。
時期 毎年1月1日~1月5日ごろ
出店者の対応ポイント
- 福袋ページの特設(ジャンル問わず、年始特別企画として)
- おみくじクーポン・抽選イベントとの連動
- 在庫処分と新作プロモーション両方を並行実施
7) 楽天イーグルス感謝祭(10月)
特徴 スポーツ応援と連動した限定セール。楽天イーグルスのシーズン終了時(10月中旬)に開催されます。
時期 楽天イーグルスのシーズン終了時(例年10月中旬)
出店者の対応ポイント
- 応援感謝クーポン・特設バナーで認知拡大
- スポーツ関連アイテムや健康食品の訴求強化
- SNS連動施策(応援投稿→特典など)
8) 楽天ワンダフルデー(毎月1日)
特徴 「月初めの販促ブースト」に最適な小規模セール。毎月1日に定期開催されるため、「安定した集客」が見込めます。
ただし、スーパーセールのような大規模セールと異なり、効果は限定的です。
時期 毎月1日(24時間限定)
出店者の対応ポイント
- 月替わりのクーポン発行(5%程度)
- 新商品や人気商品の月間特集ページの更新
- 会員向けメルマガ配信と連動
4. 楽天セール年間イベントカレンダー2025
月ごとの主要イベント
| 月 | 主な楽天イベント | 相性の良い商材ジャンル | 出店者の対応ポイント |
| 1月 | 初売り、ワンダフルデー | アパレル、ギフト、食品 | 福袋販売・新年CPの準備 |
| 2月 | お買い物マラソン、バレンタイン特集 | ギフト、食品、化粧品 | ギフト特化施策・期間限定販売 |
| 3月 | 楽天スーパーSALE、ホワイトデー特集 | アパレル、日用品、ギフト | 商品名・価格設定・レビュー促進 |
| 4月 | 超ポイントバック祭、ワンダフルデー | 高額商品、家電、ブランド品 | 高単価商品・新生活関連商品の露出強化 |
| 5月 | お買い物マラソン、母の日特集 | ギフト、化粧品、アパレル | ギフトラッピング対応・女性向け訴求 |
| 6月 | 楽天スーパーSALE、父の日特集 | メンズアパレル、食品、家電 | メンズ商品強化・レビュー依頼 |
| 7月 | お買い物マラソン、超ポイントバック祭 | 高額商品、食品、日用品 | 高額セット販売・セールページ強化 |
| 8月 | 超ポイントバック祭、お盆特集 | 食品、ギフト、ペット用品 | 帰省・贈答品対応・クール便準備 |
| 9月 | 楽天スーパーSALE、敬老の日特集 | 日用品、ギフト、健康食品 | 防災グッズ・シニア向け商品訴求 |
| 10月 | イーグルス感謝祭、ハロウィン特集 | 食品、ペット用品、アパレル | スポーツ応援、仮装アイテム、食品販促 |
| 11月 | ブラックフライデー、超ポイントバック祭 | 家電、ブランド品、高級食品 | 先取りセール・タイムセール対応 |
| 12月 | スーパーSALE、大感謝祭、クリスマス特集 | ギフト、食品、家電 | 年末特化型福袋・配送スケジュール強化 |
出店者が準備すべきポイント(段階別)
セール開始の1ヶ月前
- 対象商品の選定と価格設定の最終確認
- 仕入れ・在庫数の調整完了
- 商品写真・説明文の見直し(SEO強化)
セール開始の1週間前
- RMS内の告知バナー・特集ページの完成
- 購入プロセスのテスト(エラーチェック)
- メルマガ配信スケジュールの設定
セール開始直前(前日夜)
- クーポンの発行
- キャンペーンエントリーの完了確認
- 顧客サービス体制の確認(問合せ増加に対応)
セール期間中
- 在庫状況の1日2回チェック
- 売上・アクセス数の推移監視
- 急激なアクセス増に伴うシステムトラブルへの対応
5. セールで成果を出す出店者の実践チェックリスト
この章でわかること
各セールで最大の売上を生み出すための、準備~当日~終了後の全体プロセスを整理します。
セールやイベントをただ「参加する」だけでは不十分です。以下のプロセスで、初めて売上が最大化されます。
1) イベント開始の1ヶ月前:販促計画を立てる
チェック項目
- [ ] 対象セール一覧を把握し、「参加するセール」「参加しないセール」を決定
- [ ] 各セール対象の商品・ジャンルを選定
- [ ] クーポン施策の内容・割引率を決定
- [ ] 仕入れ・在庫数を確定
- [ ] バナー・特集ページのデザイン依頼を開始
実務上の判断基準
私たちが化粧品販売企業と支援していた時、「全てのセールに参加する」という戦略をとっていました。
しかし実績が思わしくないため、過去3ヶ月のデータを分析したところ:
- スーパーセール:売上5倍以上(高額セット商品が売れる)
- お買い物マラソン:売上1.5~2倍(単価が低い商品が中心)
- 超ポイントバック祭:売上1.2倍(高単価商品向け、ただし当社の商材には向かない)
つまり、「参加すべきセール」と「見送ってもいいセール」を見極めることが、準備コスト削減にもなるのです。
2) 商品ページを見直し、検索順位向上を狙う(楽天SEO)
チェック項目
- [ ] 商品名に「セール名」「季節キーワード」を追加(例:「【母の日ギフト限定】〇〇」)
- [ ] 商品説明文を季節・用途に合わせて更新
- [ ] スマホ表示の最適化チェック
- [ ] レビュー促進メールの作成・配信準備
- [ ] 「おすすめ商品」の組み替え
落とし穴:商品名の過度な最適化
「SEO効果を最大化するため」として、商品名を無理やり長くしてしまう出店者が多いのですが、これは逆効果です。
例:「【楽天スーパーSALE最大半額】母の日ギフト限定販売【送料無料】高級美容液セット【30代女性向け】」(長すぎる)
ユーザーが検索一覧で見た時、最初の20文字しか見えません。重要なキーワードから順に配置することが重要です。
3) セール特設ページを活用する
チェック項目
- [ ] 店舗トップページでセール感を演出
- [ ] 「おすすめ商品」「人気ランキング」「新着商品」などのカテゴリ分けを設置
- [ ] セール対象商品の明確な「セール価格表示」
- [ ] 「セール期間終了日」を明記
実務的なポイント
セール期間中は「ユーザーの選択疲れ」が起こります。
つまり、「商品が多すぎて、どれを選ぶか迷う」という状態です。
これを避けるため、セール特設ページでは:
- 最初に見える商品数は15~20商品程度に絞る(それ以上はスクロール)
- 「本当のおすすめ3商品」を大きく表示
- 「売り上げランキングTOP5」「新着商品」などで、情報の優先順位をつける
4) クーポン・ポイント倍率の設定を最適化する
チェック項目
- [ ] 期間限定クーポン(5%~20%)の発行内容を決定
- [ ] RMS内のポイント倍率設定(例:ポイント5倍)
- [ ] 「倍付け施策」の告知バナーを用意
- [ ] 他キャンペーンとの重複・矛盾がないか最終確認
クーポン設定の「適正ライン」
私たちが日用雑貨クライアントと支援する際、以下のルールで設定しています:
| 商品単価 | 推奨クーポン割引率 | 備考 |
| 1,000~2,000円 | 10~15% | まとめ買いを促すため |
| 2,000~5,000円 | 8~12% | バランス型 |
| 5,000~10,000円 | 5~10% | 高額商品は慎重に |
| 10,000円以上 | 3~8% | ポイント還元との組み合わせ推奨 |
割引率を高くしすぎると「ブランド価値の低下」につながるため、注意が必要です。
5) メルマガ・SNS・LINE連携で販促拡大
チェック項目
- [ ] イベント告知メールの配信(事前告知・当日配信・セール終盤のリマインド)
- [ ] インスタグラムやX(旧Twitter)でのハッシュタグ活用
- [ ] LINE公式アカウントでの特典クーポン配布
- [ ] 配信スケジュール表の作成(重複配信を避ける)
実務上の工夫
メルマガの「開封率」が重要です。
過去のデータから、以下のポイントで開封率が15~30%向上することが分かっています:
- 件名に「数字」を入れる(例:「【限定100個】半額セール」)
- 送信時間を「21時~22時」に設定(寝る前のスマホチェック時間)
- セグメンテーション(購入歴・ジャンル別に異なるメール文を作成)
6. 成果を最大化するためのよくある質問(FAQ)
この章でわかること
実務的な質問に、経験ベースで答えます。
Q1. 年間で「必ず参加すべきセール」は?
A: 年間12ヶ月のセールの中で、「参加効果が高い順」は以下の通りです:
Tier 1(絶対参加)
- 楽天スーパーSALE(年4回、集客力最大)
- お買い物マラソン(月1~2回、安定性)
Tier 2(商材による)
- 超ポイントバック祭(高単価商品向け)
- ブラックフライデー(ギフト・家電向け)
Tier 3(補助的)
- 大感謝祭、初売り(年末年始に特化)
- ワンダフルデー(毎月の小ロボ上)
ただし、「商材ジャンルによって大きく変わる」ため、自社商材の「最適セール」を過去3ヶ月データから分析することが重要です。
Q2. 割引率はどれくらいが適正?
A: 一般的には「セール期間中の割引率 = 利益率 × 0.7~0.8」を目安にしています。
ただし、これは「利益を最小化しない」という前提での計算です。
実際には以下のような「戦略的割引」があります:
戦略1:損失覚悟の販売
- 「新規顧客獲得」が目標の場合、一部商品は赤字覚悟で割引
- その代わり、セット商品や関連商品で利益を回収
戦略2:在庫処分型
- 季節商品の終わり際に、原価以下での販売も検討
- 次期商品への資金化を優先
戦略3:リピーター育成型
- 新規顧客向けには5~10%割引
- 既存顧客向けには3~5%割引(LTVを重視)
つまり、「割引率 = 利益最大化」ではなく、「割引率 = 目標達成の手段」と考えるべきなのです。
Q3. レビュー施策とセールの相性は?
A: 非常に相性が良いです。 むしろ、「セール準備の50%はレビュー施策」と言っても過言ではありません。
理由:
- 新規顧客が大量流入する時期だからこそ、「既存顧客のポジティブレビュー」が購買判断に大きく影響
- セール期間中は購入数が平時の3~5倍になるため、新たに「高評価レビュー」を獲得するチャンス
実装方法:
セール開始1ヶ月前から:
- 過去購入顧客(特に高単価商品購入者)にレビュー依頼メール送付
- ギフト用商品については「ギフト用パッケージのレビュー」も別途促進
- セール期間中に「レビュー投稿で+100ポイント」などのプロモーション設定
Q4. 季節イベント(母の日・クリスマス)との組み合わせ方は?
A: 季節イベント × セール = 最高の販売機会です。
特に以下の組み合わせが効果的:
| 時期 | セール | 季節イベント | 相乗効果 |
| 5月 | マラソン | 母の日 | ギフト需要+買いまわり効果 |
| 12月初 | スーパーSALE | クリスマスプレゼント準備 | 割引+ポイント還元+ギフト需要 |
| 2月 | マラソン | バレンタイン | ギフト・自分用の両需要 |
| 10月 | イーグルス祭 | ハロウィン | 仮装用品・パーティー食品需要 |
重要なポイント:
季節イベント × セールの場合、「商品の見せ方」が通常と変わります。
例えば、5月の母の日×お買い物マラソンの場合:
- 通常の商品ページ:「40代向け美容液」と単純に説明
- 季節イベント対応:「【母の日ギフト限定】40代女性に喜ばれる上質美容液セット(ラッピング無料)」
このように「季節イベント」を軸に商品を組み替えることで、売上が2~3倍変わることもあります。
7. まとめ:楽天の年間イベントを戦略化し、売上の波を作る
楽天市場で成果を上げる出店者は、例外なく「セール戦略」を徹底しています。
私たちが15年以上のEC運営経験から学んだこと:
- セール準備が全て → セール期間中の売上は「準備度合い」でほぼ決まる
- 商材ごとの「最適セール」を見極める → 全セール参加ではなく、効果的なセール選別が重要
- 失敗から学ぶ → 初回セール時の失敗(在庫不足・クーポン設定ミスなど)は、次回以降の改善の宝物
- 数字で判断する → 「なんとなく参加」ではなく、売上・CVR・客単価などのKPIで評価
これからの行動:
→ 今すぐ、あなたの店舗について、過去3ヶ月のセール実績を分析してください。
- どのセールの売上が最も高かったか
- CVRが上がったセール・下がったセールは何か
- 商材ごとに「効果の高いセール」は異なるか
このデータが、次の販促計画立案の最強の武器になるのです。
楽天セール年間カレンダーを「戦略ツール」として使いこなせば、安定した売上・継続的な顧客育成が実現できます。
補足:エントリー・クーポン取得を忘れずに
楽天のセール・キャンペーンの多くは「事前エントリーが必須」です。
エントリーなしでは、ポイント還元を受けられないため、最初に「楽天市場トップページ → 進行中のセール一覧」から、参加するセールを全てエントリーしておくことをおすすめします。
特に出店者の方は、以下を忘れずに:
- [ ] 購入者向けのエントリーリンクを、ストア内でも告知
- [ ] メルマガでエントリー忘れ防止のリマインド配信
- [ ] チェックリストで「自社のエントリー漏れ」も防止
以上です。本記事が、あなたの楽天市場での売上向上の一助になれば幸いです。
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