楽天お買い物マラソン攻略の正解:15年の現場経験から導く「集客」と「利益」の両立戦略

はじめに

楽天市場において毎月恒例となっている「お買い物マラソン」。

このイベントを単なる「ポイント付与の定期イベント」と捉えて消化試合のようにこなしていませんか?あるいは、「とりあえずクーポンを出しておこう」といった安易な施策で利益を削っていませんか?

コンサルタントとして多くの店舗様を拝見してきましたが、お買い物マラソンこそ、「ランキング上位表示」と「新規顧客リストの獲得」を最も低コストで実現できる最大のチャンスです。

本記事では、表面的なテクニック論にとどまらず、15年以上の現場経験に基づいた、事業を成長させるための「お買い物マラソン攻略の鉄則」を解説します。

1. 楽天お買い物マラソンとは?その本質的な価値

お買い物マラソンの仕組み自体はシンプルです。1,000円(税込)以上の買い物をしたショップ数(買い回り数)に応じてポイント倍率が上がり、最大10倍(上限5,000〜7,000ポイントなど開催回により変動)が付与されます。

しかし、出店者が理解すべき本質は、ユーザーの心理状態です。

マラソン期間中のユーザーは「あと1店舗で倍率が上がる」「ポイントがもったいない」という心理が働き、普段なら見送るような商品でも、買い回りの数合わせのために購入するハードルが極端に下がっています。

この「探索モード」に入っているユーザーをいかに自店舗へ誘導し、最初の接点を持つかが勝負の分かれ目となります。

2. 「楽天スーパーSALE」との決定的な違い

よく混同されがちですが、「楽天スーパーSALE」と「お買い物マラソン」では戦い方が異なります。

  • 楽天スーパーSALE(年4回):
    「お祭り」です。半額商品や目玉商品など、高単価商品の衝動買いが起きやすいタイミングです。ここでは大幅な値引きインパクトが求められます。
  • お買い物マラソン(毎月):
    「日常の延長」です。日用品、消耗品、そして「1,000円〜3,000円の買い回り対策商品」が主役です。

この違いを理解せず、マラソンでスーパーSALE並みの無理な値引きを行えば、単に利益率を悪化させるだけで終わります。マラソンでは「値引き率」よりも「買いやすさ(ポッキリ価格など)」が重要視されます。

3. 攻略の鍵は「顧客数」の最大化にある

なぜ、私がクライアント様に「売上金額」よりも「顧客数(件数)」を重視するようお伝えしているのか。

それは、楽天市場の検索アルゴリズム(SEO)において、「販売件数」が非常に大きなウェイトを占めているからです。

マラソン期間中に多くの件数を獲得できれば、イベント終了後も「特定キーワード」での検索順位が維持されやすくなります。つまり、マラソンは「イベント後の通常期に売れる土台を作るための投資期間」と捉えるべきなのです。

4. SEOを意識したアクセスアップ戦略

検索順位を上げるためには、ユーザーの検索意図に合致したキーワード選定が必須です。

4.1. 商品名・キャッチコピーの最適化

基本中の基本ですが、「お買い物マラソン」「買い回り」「1000円ポッキリ」といったイベント特有のキーワードは必ず盛り込みましょう。

ただし、単なるキーワードの羅列は推奨しません。PC・スマホそれぞれのデバイスで、重要なキーワードが冒頭に来るように調整してください。

  • 悪い例:【送料無料】期間限定 ポイント10倍 〇〇(商品名)…
  • 良い例:【お買い物マラソン限定】〇〇(商品名) 1000円ポッキリ 送料無料…

4.2. 楽天市場内でのSEO対策

ディレクトリIDの最適化やタグIDの設定も重要ですが、最も効果的なのは「期間中の販売実績」を作ることです。後述する「買い回り対策商品」がここで生きてきます。

5. 【事例】転換率を高める「売れる」商品設計

ここで、私が担当した食品ジャンルのクライアント様(A社)の事例をご紹介します。

A社は当初、お買い物マラソンでも主力商品(単価4,000円)を10%OFFにする施策を繰り返していました。売上は立ちますが、広告費を引くと利益は薄く、イベントが終わると売上が激減するという課題を抱えていました。

そこで私は、以下の提案を行いました。

「主力商品の値引きをやめて、マラソン専用の『1,000円ポッキリお試しセット』を開発しましょう」

A社社長の懸念:

「1,000円の商品を送料無料で送ったら、利益はほとんど残りません。手間だけ増えるのではないですか?」

コンサルタントとしての判断と結果:

私は、「この1,000円商品は利益目的ではなく、『ランキング入り』と『顧客リスト獲得』のための撒き餌(フロントエンド商品)です」と説得し、実行に移しました。

結果はどうだったか。

その回のお買い物マラソンで、お試しセットは800件売れました。利益はトントンでしたが、総合ランキングに入ったことでアクセスが急増。

重要なのはその後です。購入者の約15%が、翌月のメルマガ経由で4,000円の主力商品(定価)を購入してくれたのです。さらに、「食品」ジャンルでの検索順位が上がり、通常期のベース売上が前年比120%で安定しました。

教訓:

目先の利益率にとらわれず、「損して得取れ」の設計ができるかどうかが、長期的な勝敗を分けます。

具体的な推奨施策:

  • 1,000円ポッキリ商品の用意:
    マラソンのカウント条件は「1ショップあたり1,000円(税込)」ですが、送料別の商品は「送料を除いて1,000円以上」である必要があります。ユーザーの計算の手間を省くためにも、「送料込み1,000円ポッキリ」で作るのが鉄則です。
  • クーポンの戦略的配置:
    全員配布ではなく、リピーター向けや、まとめ買い(2点購入で5%OFFなど)を促すクーポンを発行し、客単価の底上げを図ります。

6. 終了後のフォローアップこそが本番

お買い物マラソンで獲得した新規顧客は、放置すれば二度と戻ってきません。

  • サンキュー施策: 丁寧な梱包や同梱チラシで店舗のストーリーを伝えましょう。
  • 次回への誘導: 「次回のマラソンで使えるシークレットクーポン」などを同梱し、意図的にリピートの動線を作ります。
  • データ分析: 「どの商品が」「どの属性に」売れたのか。今回のマラソンで動かなかった商品は、次回は無理に露出せず、別の商品に入れ替えるといったPDCAが必要です。

まとめ:戦略なきマラソン参加からの脱却を

お買い物マラソンは、楽天市場という巨大なプラットフォームが用意してくれた「集客装置」です。

なんとなく参加するのではなく、「今回は新規顧客を〇〇人増やす」「この商品の検索順位を3位以内にする」といった明確なKPIを持って臨んでください。

SEO対策と戦略的な商品設計(フロントエンド商品)を組み合わせることで、一過性の売上ではなく、筋肉質な店舗体質を作ることができます。もし、「自社で1,000円商品は作れない」「リソースが足りない」とお悩みであれば、一度専門家の視点を入れることも検討してみてください。現状の商材で可能な最適な戦術を一緒に考えましょう。

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