ECモールでの集客強化にはSNS活用が欠かせません。本記事では、楽天市場の「R-SNS」と、Yahoo!ショッピングのSNS施策の違いを比較しながら、それぞれのモールに合ったSNS戦略を解説します。
楽天市場のSNS活用:R-SNSとは?
楽天市場では、SNSと楽天市場を公式に連携できる「R-SNS」という有料オプションがあります。
特徴
- LINE、Instagram、Facebook、楽天ROOMと連携可能
- 楽天市場内の商品ページへ直接誘導できる
- 月額3,000円(税別)の年間契約制
→ 公式にモール内でSNS連携できる仕組みが整っており、費用はかかるものの安全に集客が行えるのが特徴です。
メリット
- SNS経由の集客強化
- LINEでクーポン配信、Instagramでビジュアル訴求
- リピーター育成や顧客との関係性強化に有効
→ 楽天市場内でのリピーター施策やファンづくりに最適な機能が揃っています。
デメリット
- 月額費用がかかる(最低でも年間3万6千円)
- SNSリンクの自由度が制限されており、楽天市場内への誘導のみ可
- 導入前に社内承認や審査が必要で、運用開始までに時間がかかる場合も
→ 楽天内で完結する点はメリットである一方、柔軟性に欠ける場面もあるため注意が必要です。
Yahoo!ショッピングのSNS活用事情
Yahoo!ショッピングには、R-SNSのような公式SNS連携サービスは存在しませんが、SNS運用は比較的自由で柔軟に行えます。
特徴
- SNSへのリンク掲載に制限なし(自社EC誘導も可能)
- モール外からの流入をSNS投稿や広告で誘導可能
- LINE広告やYahoo!広告との連携が主流
→ SNSのリンク掲載が自由なため、モール外への送客も含めた多様な導線設計が可能です。
メリット
- SNS投稿に自由度があり、販路を広げやすい
- 自社ECや他モールとの連携も可能
- 広告運用と併せて柔軟にSNS導線を設計できる
→ SNSと広告を組み合わせて、モールにとらわれないプロモーションを展開できます。
デメリット
- SNS戦略をすべて自社で設計・実行する必要がある
- 公式の連携ツールがないため、知識やリソース不足だと成果に繋がりにくい
- モール内でのSNS施策が浸透していないため、情報発信が埋もれる可能性も
→ 自由度が高い分、成果を出すにはマーケティング力やリソースが問われます。
比較表:楽天市場(R-SNS) vs Yahoo!ショッピング
→ 機能の有無だけでなく、連携の自由度やモール外誘導の可否に大きな違いがあります。自社の戦略に応じた選定が重要です。
項目 | 楽天市場(R-SNS) | Yahoo!ショッピング |
---|---|---|
SNS連携方法 | R-SNS経由で公式連携 | 特定の連携機能はなし(自由運用) |
SNSへのリンク掲載 | R-SNS導入で可能(楽天内のみ) | 基本的に制限なし |
自社EC・他モール誘導 | 禁止 | 許可(リンク掲載自由) |
LINE連携 | 楽天がアカウント代行作成 | 自主運用が基本(LINE広告など) |
投稿活用方法 | クーポン配布・告知・レビュー活用 | SNS投稿+広告活用が主流 |
デメリット | 月額費用、誘導制限、導入に手間 | 自主設計・実行、ツール不足、情報過多 |
運用戦略の違いと選び方のポイント
楽天市場に向いている店舗:
→ モール内完結型の戦略や、既存顧客との関係構築を重視するショップに適しています。
Yahoo!ショッピングに向いている店舗:
→ 自社ECや複数モールとSNSを組み合わせて、柔軟に売上導線を設計したい方におすすめです。
まとめ
楽天市場とYahoo!ショッピングでは、SNS活用の「仕組み」と「自由度」に大きな差があります。
R-SNSは楽天市場内でのSNS施策を強化するための公式ツール。対してYahoo!ショッピングではSNSと広告を組み合わせ、外部ともつながる柔軟な戦略を展開できます。